対戦型ゲームで勝敗を争う「eスポーツ」が注目を集めている。今年8月のジャカルタ・アジア大会では公開競技になり、日本代表選手が金メダルを獲得した。来年は国体の一環に取り入れられ、2024年パリ五輪では正式種目の採用が検討されている。企業のスポンサーが付いたプロも生まれ、1年間に数億円を稼ぐプレーヤーが存在する。徳島県ゆかりのプロゲーマーも活躍しており、業界の盛り上げに一役買っている。
たぬかな選手
徳島市出身のたぬかな選手(26)=本名・谷加奈=は、国内女性2人目のプロゲーマーで、格闘ゲーム「鉄拳」を主戦場とする。テレビ番組やイベントなどに引っ張りだこで、海外ではサインや記念写真を求めるファンが押し寄せて長蛇の列ができるほどの人気だ。
「鉄拳」との出合いは徳島科学技術高校2年の時。「全く知らない人と対戦するのが楽しかった」と魅力にはまった。週末には強い相手を求めて県外に出向き、女子高生ゲーマーとして珍しがられた。
卒業後は働きながらゲームセンター通いを続け、県内最強の鉄拳プレーヤーとなる。そんな中、複数企業がスポンサーとなるプロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」のメンバー募集の告知を目にし、「冷やかしのつもりで受けたら、受かってしまった」。2016年11月、プロ契約を結び、17年3月から大阪に拠点を移した。
昨年、米国で開かれた「Combo Breaker 2017」の鉄拳部門で女性初の3位になり、今年1月には飲料メーカー「レッドブル」とも契約を結ぶ。毎年、鉄拳ワールドツアーに参加し、米国や韓国、フィリピンなど海外を転戦する。
10月に徳島市であった「マチ★アソビ」では、トークイベントに出演。来場者と対戦し、県内外のファンを沸かせた。
12月20日午後7時からは世界最強の韓国人鉄拳プレーヤー・Knee選手らを迎え、一般のプレーヤーも参加できる対戦イベントが大阪・阿倍野のゲームセンター「G―palaあべの」で開かれる。たぬかなさんは「徳島からもっとプロゲーマーが誕生してほしい。いつか徳島のeスポーツチームの立ち上げにも関わりたい」と話す。