徳島ヴォルティスの2018年シーズンは、指揮を執って2年目のリカルド・ロドリゲス監督にとっても難しい1年になった。戦いを終えた現在の心境や苦戦の背景、果たせなかった思いなどを聞いた。
-最終戦は目の前で松本の優勝の瞬間を見ることになった。
徳島があの位置にいられたらと思ったし、今度はわれわれがあそこに立てるようにしなければならないと考えている。
-年間順位は11位。シーズンを終えて心境は。
厳しい1年だった。もっと上の順位にいたかったが、多くの逆境があった。チームとしてやること自体は昨年と大きく変わらず、シーズンの前半戦は試合を支配することもできたと思う。終盤戦で上位と離されたが、彼らに劣っていたとは思わない。松本には負けていないし、(自動昇格の)大分には2勝した。選手は自分たちのパフォーマンスを最大限発揮してくれた。ただ、ゴールが取れないという点で最後まで苦しんだ。
-夏場の主力の移籍は大きかったか。
シーズン途中で抜けたのは厳しかった。序盤戦もコンディション不良やけがで合流できない選手がいた。いま振り返ると、ウタカや途中加入した選手が、もしシーズン当初からいたらと思う。
-終盤戦で失速した理由は。
10月の金沢戦の敗戦が響いた。それまでホームでずっと勝っていたが、上位との勝ち点差も縮まらない中で負けられないというプレッシャーにつながったと思う。あとは相手より先に失点してしまうことが増えた。立ち上がりやロスタイムなどの時間帯に点を取られ、そこから取り返すのは、後半戦で徳島がとったカウンター戦術では厳しかった。
-逆に良かったところは。
(総失点数はリーグ3位タイの少なさで)昨年よりも全体的に堅さは増した。難しい試合でも勝ち点を拾えたことがあった。これは大事な点で、例えば松本は7敗しかしていない。いい守備をして引き分けに持ち込み、勝ち点1を手にした。
-前川や小西など若手の活躍も目立った。
選手を成長させることも徳島が目指す方向性の一つ。2人のほかにもGK梶川などは昨年より大幅に出場機会が増えた。成長という意味では、J1に選手4人を送り出したことはポジティブに捉えられると思う。
-戦術を変えた時期があった。チームが積み上げたものは。
いろんなやり方で戦うことも一つの経験。自分たちのスタイルはあるが、カウンターやボール保持をミックスしたり、3バック、4バックを使い分けたりと幅広い解決策を持つようになったのは、チームとして完璧になるためには大事だ。
-今後のサッカーの方向性は。
一言で言えば魅力的なサッカーをすること。特長を持ち、野心を抱き、成長していきたい選手たちと共に、それを実現していきたい。