阿波市のコメ生産者やパン製造販売業者らが、地元産の特別栽培米コシヒカリ「阿波ノ北方米」で作った米粉の普及に取り組んでいる。「米粉プロジェクト」と銘打ち、コメの消費拡大に向けて活用事例を学び、加工食品の開発や販売などを展開している。
阿波市の肥料・農資材販売会社が運営している阿波ノ北方農園が呼び掛け、同市を中心に徳島、美馬、藍住各市町の野菜ソムリエや料理教室講師、菓子製造業者ら計25人で7月にプロジェクトをスタートさせた。
これまでに中国四国米粉食品普及推進協議会(事務局・岡山県)による講演会などを実施。認証マークを作り、パンやシフォンケーキなどを商品化して産直市や阿波市内のイベントで販売した。11月から、同市のショッピングプラザアワーズに専用の販売ブースを設けている。
今後は2カ月に1回程度、栄養士を招いて料理教室を行う。米粉を用いて地域おこしに取り組むグループら外部講師の講演会も不定期で開く計画。
阿波ノ北方米は、阿波ノ北方農園と阿波市の農家がコシヒカリを減農薬、有機肥料で育ててブランド化を目指している。今年は8軒が栽培して計9トンを収穫した。製粉は岡山県の業者に委託。農園によると、コメに水分を含ませて粉砕することでタンパク質が傷つかず、粉がきめ細やかで加工品がしっとりと仕上がるという。
農園の三木みずほ代表は「主食用のコメを加工することで、今までの米粉にない食感と高品質を目指した。小麦粉に代わって使ってもらえるように浸透させていきたい」と話した。