オペラ「フィガロの結婚」の一場面

 チェコのプラハ国立劇場によるオペラ「フィガロの結婚」(徳島新聞社など主催)が来年1月14日、徳島市のアスティとくしまで上演される。モーツァルトゆかりの地プラハから、ソリスト、合唱団、オーケストラなど、総勢120人が来日しての本格的な公演となる。

 フィガロの結婚は、モーツァルト作曲。18世紀のスペインのセビリアが舞台でアルマヴィーヴァ伯爵の従者フィガロが、伯爵家の女中スザンナと結婚式を挙げるまでの一日を描いた全4幕の喜劇だ。

 結婚前にスザンナを誘惑する伯爵をこらしめようとするフィガロ。夫の浮気に一泡吹かせようとする伯爵夫人、伯爵家に住む少年ケルビーノ、お抱えの医者バルトロらが舞台を盛り上げる。

 「何といっても最大の魅力はモーツァルトの美しい音楽」と話すのは、公演を誘致したコンサート・ドアーズ(東京)の小林雅行社長。聞き覚えがあるメロディーが多く、序曲に続いてフィガロの「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」、ケルビーノの「恋ってどんなものかしら」などのアリアが軽やかに歌われる。

 第2幕に歌われる伯爵夫人のアリア「楽しい思い出はどこへ」も名曲として名高い。全曲字幕付きで、イタリア語で披露される。

 小林社長は「とにかくこのオペラの曲はどこを切り取っても素晴らしく、モーツァルトの最高傑作」と言い切る。大団円の慈愛にあふれた大合唱も聞き逃せない。

 プラハ国立劇場は1783年の創立。「フィガロの結婚」は初演の地ウィーンで冷遇され、最初に大喝采を送ったのがプラハの聴衆だった。モーツァルトが自作オペラを指揮した劇場として、唯一現存することでも知られる。

 今回はアスティとくしまの開館25周年記念として上演される。伝統ある劇場がそのままやって来るようなぜいたくな公演で、忠実に再現された18世紀の貴族の衣装や舞台セットも見逃せない。

 小林社長は「伝統あるオペラ劇場の公演が手頃な料金で見ることができる数少ない機会。もちろんカジュアルな服装で鑑賞してもいい。初めての人も会場に足を運んでほしい」と呼び掛けている。

 公演は午後3時から。S席8500円、A席6500円、B席5000円。未就学児の入場不可。問い合わせは徳島新聞社事業部<電088(655)7331>(平日午前9時半~午後5時半)。