来年4月の徳島県知事選に、県議の岸本泰治氏(61)=徳島市国府町府中=が立候補する意向を固めたことが17日、分かった。近く正式に表明する。既に現職の飯泉嘉門氏(58)が5選出馬を表明しており、県知事選で現職に共産党公認候補以外が挑む構図は飯泉県政下では初めてとなる。岸本氏は同日、自民党県連に推薦申請した。
岸本氏は徳島新聞の取材に対し「5期20年の県政運営は長すぎる。一新する必要がある」と立候補の動機を説明しており、多選の是非を軸に論戦が繰り広げられるとみられる。
また飯泉県政について、「『vs東京』『オンリーワン』とキャッチフレーズが躍るばかりで成果が上がっていない。とくしま記念オーケストラ事業を巡る数々の疑惑も多選の弊害の象徴だ」と批判。情報発信・交流拠点「ターンテーブル」を東京都内に整備した事業などを「独善的な無駄遣いだ」と問題視し、県政刷新を訴えている。
公約には、知事の任期を制限する多選禁止条例の制定を盛り込む考えを示した上で「不透明な発注や無駄遣いをなくす。東京ではなく県民に顔を向けた温かい県政を実現したい」と述べた。
岸本氏は徳島市出身。1983年に同志社大経済学部を卒業し徳島そごうに入社した。2007年4月の県議選で初当選し、現在3期目。自民党県連副幹事長、同党徳島市・名東郡第3支部長を務める。
県知事選に向けては、飯泉氏も自民党県連に推薦を申請している。このほか、共産党県委員会が候補者擁立を検討している。