出迎えに笑顔を見せる香港からの観光客=松茂町の徳島阿波おどり空港

 香港と徳島阿波おどり空港(松茂町)を結ぶ国際季節定期便の運航が19日、始まった。期間限定だが、徳島空港に国際定期便が就航するのは初めて。香港からの初便には127人(搭乗率78・4%)、折り返しの香港行きには151人(93・2%)が搭乗した。来年3月30日まで、毎週水・土曜日の週2回、計30往復運航される。

 午後2時ごろ、初便が徳島空港に到着すると、県や松茂町、運航するキャセイドラゴン航空、観光業界の関係者らがセレモニーを開いた。同社のチャーリー・スチュワートコックス北東アジア地区総支配人は「大都市以外の新たな発見を求めている香港の観光客にとって、豊かな自然と文化がある徳島は魅力的な場所だ」とあいさつした。

 空港ロビーでは県職員らが藍染のハンカチや観光パンフレットを配って搭乗客を出迎えた。初めて徳島を訪れたという会社員のラム・クワイインさん(63)は「阿波おどり会館や祖谷のかずら橋、渦潮が楽しみ」と笑顔を見せた。

 定期便のため、今年1~3月などに、香港―徳島間で運航された連続チャーター便とは異なり、徳島から一般客も搭乗できる。県は通年の国際定期便の就航を目指しており、実現にはいかに搭乗率を伸ばせるかが鍵になっている。

 セレモニー後、飯泉嘉門知事とスチュワートコックス総支配人、香港の旅行会社EGLツアーズの袁文英社長の3者で「香港と徳島の交流拡大に取り組む」とする確認書に調印した。