チームを30年間率いた木下博順前監督の後任として今春から指揮を執る。全国高校選手権の県代表の座に2年ぶりに返り咲き「うれしさよりも富岡東の伝統を守れたことにほっとする」と、はにかみながら気持ちを打ち明ける。
これまで日和佐高で3年、海部高で6年、城南高で8年、バスケットボール部を受け持った。海部、城南では準優勝した。選手にはよく「へばった時こそ頑張ることを癖にしろ」と言い、試合本番をイメージした練習を求める。
旧海南町のミニバスケットチームを皮切りに十数年プレーした。海南高2年の時は全国総体と国体に出場。島根大ではインカレに3度出場し、オールジャパンに選ばれた実績もある。
身長170センチと高くはない。どうすれば上背のある選手に勝てるかを考えた末に、人一倍練習して速さを磨き、走力を培った。「頑張れば倒せる」という自らの経験が、今の指導につながっている。
国体少年男子のコーチも務め、17年には強化委員長に就任。「県内で勝てても全国ではまだまだ。どうすればレベルアップし、全国と戦えるか考えていかないと」と、学校の枠を越えて将来を展望する。その意味で今回の全国大会を楽しみにしており「選手にはいろんなことを学び、成長してもらいたい」と話す。
「いつも支えてもらっている」と感謝する妻は同部のOB。阿南市山口町で妻や子どもたちと暮らす。42歳。