記者会見で知事選出馬を表明する岸本氏=県庁

 徳島県議の岸本泰治氏(61)=徳島市国府町府中=が21日、県庁で記者会見し、来年4月の知事選への立候補を正式に表明した。知事選への出馬表明は、5選を目指す現職の飯泉嘉門氏(58)に続き2人目。岸本氏は「5期20年は長すぎる。多選の是非を県民に問いたい」と述べた。

 岸本氏は出馬動機について、知事が5選出馬を表明した後に対抗馬が出てこなかったことを挙げ「このままでは徳島は良くならない。新しい選択肢が必要だ」と説明した。

 岸本氏は、自らの任期を「2期8年」とする考えを示し、現職との違いを強調。公約には▽知事多選禁止条例の制定▽関西空港・高松空港など県外空港からのインバウンド(訪日外国人旅行者)誘致▽道路インフラなどの早期完成▽阿波踊りを中心とした県民主役の文化・観光の振興-などを挙げた。

 16年間の飯泉県政に対しては「成果が全く上がっていない」と批判。進め方などに批判がある、とくしま記念オーケストラや水素ステーション整備といった事業を「独善的な無駄遣いだ」と指摘した。

 岸本氏は既に自民党県連と公明党県本部に推薦依頼書を提出。公明党県本部は飯泉氏の推薦を決めており、自民党県連は22日の常任総務会で飯泉氏と岸本氏のどちらを推薦するか協議する。

 岸本氏は徳島市出身。1983年に同志社大経済学部を卒業し、徳島そごうに入社した。2007年4月の県議選で初当選し3期目。自民党県連副幹事長などを務める。

 知事選には共産党県委員会も候補擁立を目指している。