新聞を教育の現場でどのように活用するかを考える第21回NIE全国大会(日本新聞協会主催)が4日、大分市のホルトホール大分をメイン会場に始まった。5日まで。学校でNIE活動に取り組む全国の教職員や、新聞関係者ら約1400人が参加。初日は、大分県内でのNIEの実践やその効果について意見交換した。

記念講演した大分出身の芥川賞作家で立教大文学部教授の小野正嗣さんは、国内外の文学作品が取り上げた新聞に関するさまざまな文章を紹介。「どんな人も孤立せず排除されない社会をつくる上で、新聞は大切な役割を担っている」と述べ、新聞が弱者の悲しみや怒りをすくい上げている重要性を訴えた。

パネルトークでは、NIEの授業を受けた大分市の中学2年、亘鍋早希さんが「記事について友達と意見を交わすのは楽しく、人の考えを知るいいきっかけになる」。新聞が多様性を知る一助になっていると話した。日本新聞協会のNIEコーディネーター関口修司さんは、小学生が週1回新聞記事を切り抜いて感想文を書く活動「NIEたいむ」について説明した。

2日目は新聞記事を使った公開授業や実践発表などがある。