子どもの発達を支援するために作られた「ベンガラ下駄」

 徳島県内唯一のきりげた業者・斉藤桐材工業(東みよし町加茂)と児童発達支援などを行うNPO法人はびりす(岐阜県大垣市)などが、発達に不安を抱える子ども向けの「ベンガラ下駄」を共同開発した。発売した2月以降、既に100足を販売しており、利用者から運動能力や平衡感覚の向上に効果があると好評だ。

 底部に2本の歯がある「駒げた」と、歯が1本の「一本歯げた」を、男女別など9種類そろえた。子どもが動き回ることを想定し、筋交いを入れて歯を補強したほか、ベンガラ色を台表面に塗り、視覚が過敏な人に配慮。鼻緒にはスエット生地を使うなど、デザイン性にもこだわった。

 発達の遅れなどから運動や日常生活に課題がある子どもに、気軽に体を鍛えてもらおうと、はびりすが考案。デザイン性の高いげたをネット販売しているみかも木履(東みよし町加茂)に依頼し、生産を担う斉藤桐材工業と共に開発した。

 みかも木履のホームページで販売しており、既に100足ほどが売れている。

 はびりすによると、子どもにベンガラ下駄を履いてもらう運動療法を実践したところ、平衡感覚や足指の力の向上、姿勢の矯正に効果があった。保護者からは「体が丈夫になり、足が速くなった」「足裏の感覚過敏が改善した」などの意見が寄せられている。

 はびりすの理学療法士鹿野昭幸さん(35)は「目を引くデザインと、小気味いい足音が楽しいようで、子どもたちが自発的に走り回るようになった。今後も活用したい」と話している。

 価格(税込み)は、5400~1万6200円。問い合わせはみかも木履<電0883(82)2262>。