子どもは神経系の発達が未熟であるためにけいれんを起こしやすいと言われます。子どものけいれんの中で最も多いのは熱性けいれんですが、発熱時のけいれんが全て熱性けいれんであるとは限りません。今月は子どものけいれんについて考えてみました。

 けいれんは様々な原因で起こりますが、脳の神経細胞が器質的または機能的に障害されて、脳内の神経細胞が一時的に異常でかつ過剰な興奮が生じることで起こります。

 小児のけいれんは年齢によって発生しやすい原因疾患が異なるために、けいれんの原因疾患を明らかにするためには年齢を考慮して検索する必要があります。

 新生児のけいれんには先天的な異常や分娩時の異常に伴って発生するものがあります。分娩障害による異常には低酸素虚血性脳症や頭蓋内出血などがあり、さらに髄膜炎や胎内感染などの中枢神経感染症は重要な疾患です。また低血糖や低カルシウム血症はけいれんの代表的な原因であり、アミノ酸や有機酸の代謝異常なども大切な疾患です。

 乳幼児に見られるけいれんでは熱性けいれんが最も多くなります。発熱の原因検索の上で、髄膜炎や脳炎・脳症などを鑑別する必要があります。また脳血管障害や脳奇形、神経皮膚症候群、てんかん及びてんかん症候群などが見つかることもあります。

 学童期にはてんかん・てんかん症候群の割合が多くなりますが、中枢神経感染症の他、脳腫瘍や脳血管障害なども見られます。

 けいれんの原因を検索する際には、随伴する症状や年齢を考慮して鑑別に必要な検査を行うことが大切です。