台湾プロ野球で初の2千本安打を達成したスター選手で、徳島インディゴソックスでプレーした張泰山(39)=登録名・泰山=が今季限りで退団する見通しとなった。契約期間は12月まで残っているが、更改の可能性はほとんどなく、26日に台湾に帰国した。

 泰山は1月、徳島と1年契約した。今季は前期31試合、後期22試合にDHや代打で出場。通算打率は2割3分6厘、24打点、3本塁打と振るわなかった。チームは前期2位、後期は最下位に終わった。

 今季の成績について泰山は「全然駄目だった。台湾と違って試合日程がまちまちだったことや、バスでの長距離移動などでコンディションを整えられず、最後まで調子が上がらなかった」と振り返った。日本野球機構(NPB)入りを目指す若い選手たちとプレーできたことに関しては「楽しかった。夢を追う若者の姿に感動した」と話した。

 徳島球団は、泰山の入団により、台湾からのインバウンド(訪日外国人観光客)の呼び込みについては一定の効果があったとしている。8月25日には約30人のツアー客がJAバンク徳島スタジアムを訪れるなど、計約300人の台湾人ファンが県内で徳島の試合を観戦した。6月には台湾の社会人チームを招いての交流戦も実現した。

 泰山は台湾球界で通算2134安打、1338打点、289本塁打でいずれも歴代1位の記録を持っている。優勝への貢献や、人気にあやかっての観客増が期待されていた。