徳島県三好郡の東みよし町包括支援センターに勤務する30代の女性保健師が、50代の女性センター長によるパワーハラスメントで抑うつ状態になったと訴え、11月末に退職したことが28日、分かった。センターを運営する町社会福祉協議会はパワハラを否定しているが、他にも複数の職員がセンター長への不満を訴えており、町社協は「指導、監督が適切でなかった」として、藤内則康事務局長の冬の賞与0・2カ月分をカットした。

 町社協によると、女性保健師は4月から勤務。センター長から主な仕事である相談業務をほとんど任されず、助言や情報共有もなかったとパワハラを訴えたため、町社協が7~9月に両者から聞き取りを行った。センター長は「徐々に慣れてもらうためだった。代わりの業務などを任せていた」とパワハラを否定。町社協もパワハラは認定していない。

 女性保健師は10月上旬から休職。センター長は10月下旬から病気を理由に休職し、12月以降は短時間で勤務している。来年1月1日付で他部署に異動する。センターでは別の女性保健師と社会福祉士も、相談業務をほとんど割り振ってもらえないなどとして改善を求めていたという。

 センターの業務を町社協に委託している町福祉課によると、4月から相談業務をしていたのはセンター長と主任介護支援専門員、保健師2人の計4人。4~7月の月平均の相談件数は、センター長と主任介護支援専門員が1人当たり50・1件、保健師2人は1人当たり2・6件だった。

 藤内事務局長は「安全衛生委員会を設けるなどし、労働環境の改善に努めたい」としている。