2019年4月の徳島県議選まで3カ月余りとなった。徳島新聞の取材では28日現在、定数38に対し、現職33人、元職1人、新人8人の計42人が立候補する見通しで、全13選挙区のうち、過去に無投票になったことのない徳島(定数10)、阿南(4)両選挙区を含む10選挙区が無投票となる可能性が出ている。過去最多の7選挙区だった前回より拡大することになり、議員のなり手不足が深刻化している。
選挙戦になるとみられているのは美馬第1(美馬市、2)と美馬第2(つるぎ町、1)の両選挙区を統合し、定数を計3から2に減らした美馬選挙区と、三好第1選挙区(三好市、2)、板野選挙区(4)の3選挙区。
美馬は現職1人と新人2人、板野は現職2人と新人3人、元職1人の計6人が出馬を予定。三好第1は現職2人と新人1人が立候補するとみられる。
その他の10選挙区は定数を超える候補者の名が挙がっていない。中でも定数が最も多い徳島選挙区と阿南選挙区が無投票となれば戦後初めて。ただ、両選挙区とも出馬を模索する動きはある。吉野川(2)、阿波(2)、三好第2(三好郡、1)は前回、前々回も無風だった。
10選挙区が無投票となれば、無投票当選者は過去最多だった前回の14人の倍以上の30人に上る。全定数の8割近くが有権者の審判を受けず、県内有権者約50万人が投票の機会を失う。
地方議会のなり手不足は、全国的に小規模市町村を中心に深刻化しているが、このまま推移すれば県議会でも事態が顕在化する。選挙後には定数削減や区割りの見直し、なり手不足への対策などの議論が求められそうだ。
徳島大大学院の小田切(こたぎり)康彦准教授(地方自治論)は「なり手不足は人口減と密接に関係し、全国的な課題だ。選挙戦がなければ、民意が的確に反映されない。兼業を認めるなど議員になれる条件の緩和の検討や、議員の仕事、役割の発信を通じて大事な職だという意識を県民に広めていくことが重要だろう」と話している。