記録的な豪雨、強大化した台風、命に関わる酷暑。例年にも増して、異常気象の恐ろしさを実感させられた。

 自然の脅威を前に、私たちは何ができるのか。防災、減災への課題を厳しく突きつけられた1年と言えよう。

 とりわけ被害が大きかったのは、7月の西日本豪雨である。死者は広島、岡山、愛媛各県などで計220人を超え、全半壊の家屋は約1万7千棟。多くは山腹崩壊や川の氾濫、浸水による被害で、徳島県内でも集落が孤立した。

 気象庁は11府県に大雨の特別警報を出し、最大級の警戒を呼び掛けたものの、避難は十分に進まなかった。直前の台風が収まり安心した人が多かったことや、避難勧告・指示が夜になったことなど、さまざまな理由が考えられる。

 気象情報の種類が多く、分かりにくくなっているのもその一つだろう。西日本豪雨を受け、中央防災会議は警戒レベルを5段階に分けて発信する対策を打ち出した。

 経験したことのないような豪雨はいつ、どこで起きるか分からない。情報の伝達方法を見直すのはもちろん、受け手の住民も「今まで大丈夫だったから」という意識を変える必要がある。

 地震も相次いだ。6月の大阪府北部地震では、女児がブロック塀の下敷きになって死亡した。9月の北海道地震では土砂崩れなどで41人が亡くなり、全域が停電するブラックアウトが初めて起きた。

 中央構造線断層帯が走り、南海トラフ巨大地震による被害が予想される本県である。教訓を生かし、その軽減に全力を挙げなければならない。

 国政では、安倍晋三首相が自民党総裁選で連続3選を果たした。「1強体制」を維持した首相は「謙虚に、丁寧に、慎重に当たっていく」と語ったが、強引な政権運営が改まることはなかった。

 象徴的だったのが、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案の国会審議である。新制度の全容がはっきりしない上、技能実習制度の検証も不十分なまま、採決に踏み切った。

 米軍普天間飛行場の移設でも、知事選で示された沖縄県民の意思を無視し、名護市辺野古の海への土砂投入を強行した。森友、加計(かけ)学園を巡る不透明な問題は、解明されずに再び越年する。

 いずれも、安定した内閣支持率を背景にしたおごりの表れだろう。だが、先日の共同通信社の世論調査では、不支持が支持を上回った。国民を甘く見てはいけない。

 十大ニュースの多くを深刻な出来事が占めた半面、本庶佑(ほんじょたすく)京都大特別教授のノーベル医学生理学賞受賞、平昌冬季五輪やサッカーワールドカップでの日本勢の健闘など、明るい話題も少なくなかった。

 スポーツ界に限らず、多彩な分野で活躍する若者が増えているのは心強い限りだ。平成から次の時代に移る来年は、希望の持てるニュースが上位に並ぶよう願いたい。