長距離選手の発掘や大会の魅力向上を目的として第63回徳島駅伝(徳島陸協、県、徳島新聞社主催)で新設する小学生特別区間にエントリーした16郡市の5、6年生62人が元気に練習に励んでいる。新春の阿波路を駆ける小学生の姿はチームや地元に新たな活力を呼び込みそうだ。

 小学生特別区間は第2日(来年1月5日)の阿北コースのうち、板野西部消防署(板野町羅漢)から上板町役場(上板町七條)までの3キロ。前半1・5キロが女子で、後半の1・5キロが男子。試行のため、タイムは総合成績には反映されないが、区間賞を設ける。

 7月の主催者会議で新設が決まった後、各郡市は小学校などを通じて希望者を募り、選手を選考した。

 名西郡の田中ひなのさん(12)=高川原小6年=は、父の康博監督と姉の千聖さん(15)=石井中3年=と共に出場する。週1回通う町内の陸上教室では短距離が専門だが、徳島駅伝で走る父や姉を見て「いつか私も出たい」と思っていた。親子3人で自主練習してタイムを縮め、11月の選考会で出場が決定。徳島駅伝を「憧れの舞台」と言い、「楽しんで走りたい」と話す。

 地元住民のサポートを受ける選手も。那賀郡の山本心さん(11)=相生小5年=の練習に家族が所用で付き添うことができない場合は、近所の人たちが伴走する。山本さんの祖母のマラソン仲間で、心さんとも一緒に練習してきた木下亜季さん(44)は「今回は応援にも力が入る」と本番を心待ちにする。

 毎年、選手確保に頭を悩ませる郡市にとって小学生は希望の星だ。名東郡は今回、小学生特別区間を除く全43区間のうち、過去最多の36区間で選手が走るが、悲願の全区間出場はならなかった。

 小学生は郡内唯一の佐那河内小の5、6年生37人から4人を選出した。「地元の子どもたちが駅伝の楽しさを知り、ゆくゆくはチームの一員に育ってくれれば」と藤本忠監督。小学生特別区間の新設が底辺の拡大と、近い将来のフルエントリーにつながることを期待する。

 大会事務局は第63、64回大会の試行を経て、2019年の第65回記念大会から正式に設けることを検討している。大会長を務める徳島陸協の卯木英司会長は「小学生には陸上が楽しい、競技をもっと続けたいと意識してもらうことが大事だ。試行後に各郡市の意見をしっかり聞き、より良い形にしていきたい」と話している。