地元スーパーの商品を積み込み、利用者宅を回るとくし丸。東みよし町でも4月以降に運行が始まる=徳島市内

 買い物難民対策として軽トラックによる食品や日用品の移動スーパーを手掛けている「とくし丸」が開業8年目となる今年、徳島県内全市町村に営業区域を広げる。11日、三好市の個人事業主が同市池田町を拠点に県内28台目の営業を始め、唯一の空白自治体だった東みよし町を4月からカバーすることになった。民間の発想から生まれた事業が、超高齢社会の中、急増している買い物難民を支える生活インフラとして着実に浸透している。

 とくし丸は販売パートナーと呼ばれる個人事業主が地域のスーパーと契約し、商品を委託販売する仕組み。今回は、元福祉施設職員の真鍋覚さん(53)=同市池田町トウゲ=が地元のサンシャイン池田店(本部・高知市)の食品などを扱う。

 近くに店がなく車も運転できず外出が難しい高齢者らの家など約80軒を週1、2回訪問する。三好市は現在、とくし丸が走っているのは三野町のみで、池田、井川両町に区域が広がる。東みよし町は今後、顧客開拓を図り、4月の営業開始を目指す。

 人口減少や高齢化に加え、郊外型大型スーパーの進出などに伴って地域の中小スーパーが減り、日々の買い物に不自由している買い物弱者は増え続けている。とくし丸はこうしたニーズを捉え、2012年に創業した。

 全国の流通業界からも注目され、18年12月末時点で宮城、宮崎、沖縄の3県を除く44都道府県で計362台が稼働している。徳島県内ではスーパーのキョーエイ(徳島市)24台、フードセンター二幸(阿南市)1台、オオキタ(牟岐町)2台の移動販売車計27台が営業。23市町村で約4000人が利用している。

 今回の開業で全市町村をカバーするが、県内のとくし丸事業を担う「Tサポート」(徳島市)によると、旧50市町村単位で見ると山城、西祖谷山、東祖谷山、上那賀、木頭、木沢が、他業者を含め移動スーパーの空白地域として残るという。また上勝など、ごく一部の地域での営業にとどまっている自治体もある。人口が少なく、住宅が点在する山間部は採算確保が難しいためで、課題となっている。

 全国展開を進めるとくし丸(徳島市)の住友達也社長は「ここまで広げられたのは、持続可能な収益構造をしっかりつくり込んできた結果」としつつ、「今後は自治体との連携も必要になってくるだろう」と話している。