新しい年の初めに、ランナーから元気をもらいたい。そんな思いで沿道から応援する人は多いだろう。

 第65回記念徳島駅伝はきょう、海陽町の宍喰橋で号砲が鳴る。前回、52年ぶりにフル出場を果たした名東郡が今回も全区間に走者を配し、全16郡市による熱いレースが繰り広げられる。

 チームによって選手層の厚さが異なり、目標も「1桁順位を狙う」「前回より一つでも上に」とさまざまである。それぞれの目標に向かって懸命にたすきをつなぐ選手を声援で後押ししたい。

 今大会は初日の南方コースで5年ぶりに勝浦コース、2年ぶりに那賀コースが採用され、6日までの3日間、全45区間279・4キロで争われる。前回より2区間増え、距離も23キロ近く延びた。上り下りが激しい初日の攻略がレースを左右しそうだ。

 優勝争いは予断を許さない。3連覇を狙う鳴門市は各年代に力のある選手がそろい、徳島市も一般勢が充実している。前回は、最終日に両市の差が一時5秒にまで縮まった。

 近年、上位に名を連ねる阿南市や板野郡、小松島市も加わり、レースを盛り上げるだろう。

 注目されるのは最優秀競技者賞(MVP)の行方である。前回まで大会史上初めて4年連続で獲得した小松島市の大西亮選手が欠場し、複数の男女が候補に挙がる。どんな選手が台頭するのか楽しみである。

 56年ぶりに国内開催となる2020年の東京五輪を1年半後に控えての大会だ。

 五輪ランナーの弘山晴美(アトランタ、シドニー、アテネ)、大家正喜(アトランタ)犬伏孝行、市橋有里(いずれもシドニー)の4選手はかつて郡市の代表として阿波路を駆け抜けた。

 彼らに続く若い選手が今大会にいるかもしれない。大学生や中高生の走りからも目が離せない。

 過去2大会で試行された小学生区間は、新たに小学生駅伝として最終日に行われる。徳島陸上界の未来を担う子どもたちも応援しよう。

 駅伝はエース級の選手の活躍だけでは成り立たない。各郡市の競技関係者には、つなぎの一般区間を誰に託すか、若手の発掘や育成をどう進めるかといった悩みが常につきまとう。

 吉野川市で奮闘するのは歴代最多、38回目の出場となる鮎川進監督と湯口武夫選手だ。ともに51歳。体力の衰えは隠せないが、監督としてランナーとして、これまでの経験や練習方法を若い選手に伝えている。

 原動力となっているのは熱意にほかならない。世代の異なるチームの仲間が心を一つに一本のたすきをつなぐ。徳島駅伝は地域の絆を強め、郷土を元気にする大会として歴史を刻んできた。

 平成最後の節目の大会を県民みんなで盛り上げよう。