遊山箱をテーマにした絵本「遊山箱もって」を出版した山崎さん=徳島市南佐古六番町の自宅

 徳島児童文学会副会長の山崎純世(じゅんよ)さん(58)=徳島市南佐古六番町、薬剤師=が絵本「遊山箱もって」(32ページ、A4判)を出版した。遊山箱にまつわる風習や食べ物などを丁寧に描き、徳島の伝統文化を伝えている。

 主人公は遊山箱と持ち主の女の子。旧暦の桃の節句に、巻き寿司や煮しめ、ういろうなどを3段の箱に詰めて友達と出掛ける物語。サクラや野鳥といった遊山箱を彩る絵柄のほか、古い時代の遊山箱も紹介されており、ストーリーを楽しみながら遊山箱の知識を深められる。

 2016年に板野町で絵本の原画展を開いた際、イラストの中にある遊山箱を見た来場者から「遊山箱の本を作ってほしい」との声が寄せられた。

 取材を始めると、遊山箱を取り上げた本がほとんどないのに驚いたという。遊山箱文化保存会の会員や収集家を訪ねて、実物を見たり、思い出を聞き取ったりして2年がかりで完成させた。

 山崎さんは「絵本を読んで、桃の節句には遊山箱を持って野遊びに出掛けてほしい」と話している。

 一冊1500円(税別)。10日から徳島市立木工会館で原画展と即売会を行う。午前10時から山崎さんの読み聞かせ会もある。県内の書店でも販売する。