地元の津田山を描いた壁画が人気を集めている昭和湯=徳島市津田本町3

 創業85年の老舗銭湯「昭和湯」(徳島市津田本町3)が30年ぶりに大改装し、若い世代を中心に人気を集めている。レトロな外観を残しつつ、浴場の壁面に地元の風景を描いたり、番台と脱衣所を分離させたりとさまざまな改良を施した。経営者の新田啓二さん(46)は「かつて地域の社交場だった銭湯の良さを見直してほしい」と話している。

 改装工事は昨年3~8月に実施。ペンキで描いた津田山の壁画(高さ最大約2・5メートル、幅約8メートル)を浴場にしつらえたほか、浴槽のタイルを張り替えた。ロビーと脱衣所を引き戸で区切り、番台から見えない構造にした。床や壁には県産スギを使っている。

 壁画には、津田の六右衛門狸の根城とされる「穴観音」や阿波狸合戦跡地などの見どころが、大勢の狸と一緒に描かれている。レトロ銭湯を紹介する本にも取り上げられた。

 昭和湯は1933年創業。89年の大改修から30年がたち、タイルやボイラーが老朽化して客足が伸び悩んでいた。改装後は幼児からお年寄りまで客層が広がり、特に若い家族連れが増えたという。

 前回の改装は平成が始まった年に、今回は平成の最後の年に行った。新田さんは「時代の節目に大改装でき、巡り合わせのようなものを感じる。仕事帰りに立ち寄って、一日の疲れを洗い流してほしい」と話している。

 県内の銭湯は60年代に180軒以上あったが、現在は14軒しか残っていない。