徳島県阿南市内で、資材・製品置き場にする目的で農地転用が許可された土地に、太陽光発電所が相次いで建設されていることが7日、徳島新聞の情報公開請求で分かった。発電所の計画段階の土地も含めると2013年以降で少なくとも94カ所に上る。このうち8割近くの72カ所は太陽光発電を目的とした転用ができない「甲種農地」「1種農地」で、違法転用の疑いがある。資材置き場名目の転用申請が、農地法の規制を免れる「抜け道」となっている可能性が高い。
 

 農地法では、優良農地を確保するために農地を区分し、転用許可に関する方針を定めている。94カ所(計9・5ヘクタール)のうち1カ所は甲種農地、71カ所が1種農地で、いずれも太陽光発電を目的とする転用は原則不許可になる。22カ所は転用が可能な2種農地だった。

 18年11月に徳島新聞記者が現地調査や航空写真で現況を確認したところ、73カ所で太陽光パネルを設置済み、または工事中だった。残りの土地は砂利敷きの更地になっていたり、荒れ地で放置されたりしていた。

 農地転用の許可権限は市農業委員会にある。転用の目的通りに資材・製品置き場になっているかどうかを、造成工事の完成から約2カ月後に行う「完了検査」で確認している。

 ただ、農地でなくなっているとの理由から、検査後に農業委が改めてチェックすることはない。太陽光発電所が稼働済みの土地の約9割は、検査後1年以内に設置工事を終えて発電を始めていた。検査からわずか2カ月後に発電を始めたケースもあった。

 売電用の太陽光発電事業を始めるには、事業計画を策定して国の「再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)」の認定を受ける必要があるが、約8割に当たる76カ所の農地は、農業委から転用許可を受ける前にFIT認定を取得。その後、資材・製品置き場を名目に転用手続きをしており、太陽光発電にする用途を隠した虚偽の転用申請の可能性がある。

 転用許可から農業委の完了検査までの間にFIT認定を受けた土地も12カ所あった。最も早いケースでは、許可を受ける3年3カ月前にFIT認定を取得していた1種農地があった。

 発電事業者は6割が企業で4割が個人。市内外の不動産業者や自然エネルギー発電事業会社が目立つ。市内の農地転用を巡る贈収賄事件で逮捕・起訴された被告が発電所を運営する土地も5カ所あった。