第72回国民体育大会「愛顔つなぐえひめ国体」が30日から10月10日まで、愛媛県内の各地で開かれる。四国開催は2002年の高知国体以来15年ぶりで、徳島県勢は31競技に385人が出場する。会期前競技を含めると、選手数は昨年の岩手国体よりも143人多く、3年連続46位と低迷する天皇杯(男女総合)の順位アップに期待が懸かる。県勢の戦力を紹介する。


 ◆馬術(10月5~9日・兵庫県三木ホースランドパーク)

 成年男女に7人、少年に2人が出場する。実績のある選手が多く、入賞ラッシュが見込める。

 成年男女を引っ張るのが、国体での優勝経験がある片山篤(徳島乗馬倶楽部)と片山志(同)の夫妻。それぞれ2種目に出場し、頂点を狙う。

 さらに、少年の2段階障害などに出場する大森(三田祥雲館高)も優勝を目指す。

 監督兼選手の高橋(フードセンター)は六段障害飛越、成年男子の片山淳(すばる会計)は馬場馬術で、成年女子の孝田(ユーアールエー)はトップスコア、日高(徳島乗馬倶楽部)は馬場馬術など2種目での入賞に照準を合わせる。


 ◆ボウリング(10月1~5日・松山市キスケボウル)

 成年、少年の各男女が出場する。成年女子は和歌山、岩手国体の個人で2年連続準優勝の木村(阿波銀行)が今回も表彰台を狙えそうだ。木村を軸にした4人チーム戦、木村と鹿山(尾上和裁)の2人チーム戦でも入賞をうかがう。

 成年男子は堀田(赤松化成工業)と坂本(四国労働金庫)の2人チーム戦の入賞に期待。少年男女は個人、2人チーム戦で予選突破を目指す。


 ◆なぎなた(10月1~3日・松山市総合コミュニティセンター体育館)

 成年女子は試合で奈良、演技は新潟と対戦。高校時代に全国総体の優勝経験がある阿部(ユニクロ)を軸に1回戦突破を目指す。少年女子は鳴門高の長江、野口、増田で編成。試合は岡山、演技は2回戦で熊本、山形の勝者と対戦する。


 ◆ソフトボール(10月1~3日・西予市営宇和球場ほか)

 全13チームで争う成年女子のみ出場。1回戦で昨年優勝した愛知と対戦する。全国高校総体出場経験がある池田辻高OBのほか、地元の実業団や6人のふるさと選手らで編成。エース小澤(大鵬薬品)を軸に、最少失点で粘り強く戦えれば勝機はある。


 ◆カヌー(10月1~4日・大洲市鹿野川湖特設カヌー競技場)

 スプリントの成年男子カナディアンシングルで長崎国体4位の樫原(藤井鉄工建設)に入賞の期待。大洲市の会場が練習拠点としている那賀川の川口ダム湖と環境が似ているのも追い風だ。


 ◆セーリング(10月1~4日・新居浜市新居浜マリーナ)

 県勢は成年男女の各3種目に出場。男子は470級の奈良(大塚倉庫)中野(徳島日産)のベテランペアに入賞の期待がかかる。会場が新居浜市沖の瀬戸内海で、風が弱めと予想される中、経験をどう生かすか。女子は出場者が24人と少ないウインドサーフィン級の中野瑞紀(富山大)がダークホースだ。


 ◆重量挙げ(10月5~9日・新居浜市民文化センター)

 成年男子4階級、少年男子3階級に計7人がエントリー。昨年の岩手国体の成年男子56キロ級でスナッチ、ジャーク、トータルで入賞した東野(大商大)が2年連続の3種目入賞を狙う。

 77キロ級ではアジアジュニア選手権日本代表の原(中大)が上位をうかがう。選手層の厚い階級だが、夏合宿で力をつけ、調子も上向きだ。

 少年男子は8月の全国高校総体で2位に輝いた69キロ級の船城(徳島科技高)に表彰台の期待が懸かる。インターハイ後の四国選手権でもジャークとトータルで大会新をマークするなど好調をキープ。安定感がある62キロ級の瀬尾(鳴門渦潮高)も入賞の可能性がある。


 ◆ボート(10月6~9日・今治市玉川湖ボートコース)

 成年男子は徳島市立高OBの河野(瀬田ローイングクラブ)沼江(徳島大)組がダブルスカルに挑む。成年女子は北村(徳島大)がシングルスカルに出場。少年男女は2年生主体の徳島市立高勢が舵手付きクォドルプルやダブルスカルで予選突破を目指す。


 ◆空手道(10月7~9日・四国中央市伊予三島運動公園体育館)

 成年男女、少年男女に計8人が出場する。少年女子組手の田中(高松中央高)と少年男子形の富加見(小松島西)が入賞ラインに近づけるか。成年男女は形、組手とも対戦相手が手強い。男女混成5人で挑む団体は1回戦で強豪大阪とぶつかる。中堅と副将、大将を務める成年男子が踏ん張り、初戦突破を果たしたい。