第72回国民体育大会「愛顔つなぐえひめ国体」が10日、閉幕した。
天皇杯順位(男女総合)が4年連続で46位と惨敗した徳島の団体入賞数はビーチバレー男子、ボウリング成年女子(4人チーム)、ゴルフ少年男子、新体操少年女子の4だけで、個人を合わせても入賞は47にとどまった。
皇后杯順位(女子総合)は前回より二つ上げたが、44位と低迷。県や県体協の競技力向上策について抜本的な見直しを迫られる厳しい結果となった。
東京が2年連続15度目の天皇杯を獲得し、愛媛は2位。開催都道府県以外の男女総合優勝は、前回の岩手国体に続いて2年連続となった。東京は5年連続22度目の皇后杯も獲得した。
都道府県の競技レベルを示す天皇杯順位で、徳島は団体競技の不振などが響き、4年連続の46位に終わった。15年ぶりの四国開催で地元の愛媛が予選を免除されたため、徳島の四国ブロック予選突破率が上昇。本大会の出場選手が昨年より80人増え、県や県体育協会は30位台への浮上を見込んでいたが、得点は613・5点(参加点の400点を含む)にとどまり、厳しい結果を突きつけられた。
出場34競技のうち、8位内の入賞数は47(団体4、個人43)。昨年の35(団体2、個人33)と比べて12増となり、優勝も昨年の2から4に増えたが、順位アップには至らなかった。
個人競技よりも得点が高い団体の入賞は、ビーチバレー成年男子、新体操少年女子、ボウリング成年女子(4人チーム)、ゴルフ少年男子だけ。期待されたサッカーの少年男子と女子、バレーボール少年女子、ソフトテニス成年女子、ソフトボール成年女子、成年男子など3種別に出場したラグビーなどはいずれも入賞を逃した。
競技別で最も活躍したのは16年ぶり7度目の総合優勝を飾ったライフル射撃で、成年女子2人と少年男女6人が計11種目で入賞した。うち2人が優勝し、昨年より18点多い60点を稼いだ。
重量挙げの成年男子3人と少年男子3人が入賞し、昨年より23点多い39点を獲得。馬術は昨年を1点上回る21点、昨年入賞者のいなかったカヌーは成年男子スラローム2種目で優勝し、成年女子でも入賞した。
これらの個人競技が軸となって、徳島の得点は前回よりも73点増えたとはいえ、39位の滋賀とは189点もの大差がある。45位の沖縄にさえ56・5点差をつけられており、目標とする30位台どころか、一つ順位を上げるのもかなり難しい状況だ。
来年以降は、愛媛を交えた4県で再び予選を争う。愛媛の強化が進んだことを踏まえると、徳島の苦戦は必至で、予選通過さえままならない状況に戻ることが容易に推察される。
競技人口の減少、企業スポーツの衰退、指導者不足と高齢化、選手の県外流出など県内のスポーツ事情は厳しくなる一方で、改善の兆しが見られない。県、県体協、各競技団体は現在の選手強化や育成策を続けるだけでは、天皇杯順位を上げることができなくなっていることを自覚する必要がある。