「一日でも早く1軍のマウンドに立つ」。26日のプロ野球ドラフト会議で西武から3位で指名された徳島インディゴソックスの伊藤翔は、中日の育成ドラフト1位の大蔵と共に藍住町のゆめタウン徳島で会見し、約100人のファンに飛躍を誓った。
ドラフト会議の間は別室で待機し、テレビ中継を見守った。3位については「予想していなかった」と高評価に驚きの表情を浮かべた伊藤翔。記者会見では「ほっとしている。プロの世界でこれからやってやるという気持ちになった」と力強く語った。
目標に西武の菊池雄星、牧田和久の両投手を挙げた。「偉大な先輩とプレーできるのがうれしい。いろいろと教われるのが今から楽しみ」と表情を緩める。
千葉・横芝敬愛高時代に最速が147キロに達し、プロを意識するようになった。大学生よりも早く憧れの舞台に立とうと、進学をやめて徳島入りを決断。今季、ルーキーながら先発の柱としてフル回転した。
徳島での1年を振り返り「僕を信じてマウンドに上げてくれた養父監督と野手のおかげで成長できた」。18歳の右腕は恩師やチームメートへの感謝で締めくくった。
一方、大蔵は本指名では名前が呼ばれなかったが、育成1位は「すごくうれしい」と晴れやかな表情で語った。
前期は(右ひじの)けがで活躍できず、厳しいと思っていたという。「まさか(育成)1位とは思わなかった」と振り返る。
愛知県出身で、小さい頃からの中日ファン。川上憲伸投手や立浪和義内野手らが活躍する姿を見て育った。「徳島で1年やってきて今までの何倍も成長できた。吉見(一起)投手のような安定感のあるピッチャーになりたい」と意気込んだ。
◆伊藤翔(いとう・しょう)千葉県出身。横芝敬愛高出。徳島インディゴソックスに今季入団し、リーグ2位の8勝を挙げた。最速152キロの直球と鋭く落ちる変化球が武器。チームの独立リーグ日本一に貢献し、四国の4県知事が選ぶ最優秀選手に輝いた。177センチ、72キロ。右投げ右打ち。18歳。
◆大蔵彰人(おおくら・あきと)愛知県出身。大垣西高、愛知学院大出。徳島インディゴソックスに今季入団。長身から140キロ台後半の角度のあるボールを投げる。防御率はリーグ9位の3・00。191センチ、88キロ。右投げ右打ち。23歳。
◇インディゴ指名は計13人
育成を含め、徳島インディゴソックスの選手がドラフト会議で指名を受けたのは、伊藤翔(西武3位)と大蔵(中日育成1位)を合わせて計13人となった。
2013年から5年連続で、複数選手の指名は4年連続。本指名は昨年の福永(阪神6位)に続いて2年連続となった。順位は3位の伊藤翔が、14年の入野(楽天5位)を上回って最上位となった。
球団別では中日の4人が最多で、次いで広島の2人。西武から指名を受けたのは伊藤翔が初めて。指名がない球団はDeNAとヤクルト、ソフトバンクの3球団だけとなっている。