2020年東京五輪のキャンプ誘致を進める徳島県と「野球のまち」を掲げる阿南市が、東京五輪出場を目指す台湾の野球チームの誘致を検討していることが27日、関係者への取材で分かった。国内外の野球チームの合宿を誘致し、ノウハウもある阿南市で直前の調整をしてもらう考え。既に台湾側との協議を進めており、県は「前向きに検討してくれている」としている。

 県は昨年度から、台湾プロ野球のスター選手だった張泰山氏が徳島インディゴソックス(IS)に在籍したのを機に、張氏の人脈を生かして事前キャンプ誘致を目指そうと計画。阿南市と共に準備を始めた。

 7月には県の県民スポーツ課と市野球のまち推進課、徳島ISの関係者の計5人が台北市を訪問。張氏も交えて台湾野球協会関係者と協議した。

 今後、台湾野球協会が阿南市の視察に訪れる計画。同市桑野町にあるプロ野球仕様のJAアグリあなんスタジアムや宿泊施設などを見てもらい、具体的な交渉に入る見通し。

 台北市での協議に同行した市野球のまち推進課の田上重之推進監は「『野球のまち』を海外にPRできる絶好のチャンスなので何としても実現し、地域を挙げてもてなしたい」と話している。

 台湾は04年のアテネ、08年の北京の両五輪に連続出場しており、野球は東京五輪で復活する。

 県はドイツのハンドボール、カヌー、柔道の3種目についてもキャンプ誘致を目指している。