解体されることが分かった三木元首相の実家=阿波市土成町吉田

 徳島県阿波市土成町吉田にある故三木武夫元首相の実家が取り壊され、市が跡地(約1400平方メートル)の寄贈を受けて記念公園を整備することが10日、分かった。所有者の親族が解体に取り掛かっており、市民からは惜しむ声も上がっている。

 住宅は木造平屋約110平方メートル。別の場所にあった生家が取り壊された後、1937年ごろまでに建てられ、三木元首相も住んだことがある。本人が都内に転居した後は親族が暮らし、選挙の際には事務所として使われたが、少なくとも2000年ごろからは空き家になっていた。

 市などによると、築80年以上と老朽化しており、所有者である都内の親族が昨夏、解体を決めて市に跡地の寄贈を打診した。四国霊場7番札所・十楽寺から8番札所・熊谷寺までの遍路道沿いにあるため、市は遍路が休憩できるあずまやや公衆トイレを設ける方針。

 解体は7日に始まり、ガラス戸が取り外されるなどしたが、10日時点では原形をとどめている。2月中旬にもさら地になる見込み。

 解体を知った同市土成町吉田、自営業糸谷(いとたに)徳文さん(42)は「住民の意見を聞くなど他に方法はなかったのかとも思うが、個人宅なのでどうしようもない」と残念がった。

 三木元首相は土成町出身。明治大卒。衆院議員を50年以上務めた。74年に田中角栄氏が金脈問題で退陣し、県人初の首相に就任。金権政治を批判して政治資金規正法の強化に取り組み、76年に退陣した。