「えびすさんの川流れ」ということわざを、日本語方言辞典に見つけた。「カッパの川流れ」はよく聞くが、えびすさんとはいかに

 意味もカッパのそれとは違って「いつもにこにこして怒ることがないこと」とある。由来ははっきりとしないが、静岡辺りで言うらしい。窮地に陥っても恵比寿天(えびすてん)のように笑顔で動じないとは、なかなかできることではない

 本県最大のえびす祭りが営まれている徳島市通町の事代主(ことしろぬし)神社は、今年も大にぎわいだ。福徳招来、家内安全などご利益は数々あれど、やはり本命は商売繁盛である。善男善女の中には険しい表情もちらほら。だからこそ、その笑顔が頼りにされる「えべっさん」である

 事代主神社は元々、明治初期まで徳島市八万町に本拠があった。藍で栄えた時期のえべっさんとあって、人出は相当だったとか。この盛況に目を付けた役人が、現在の市中心部に遷座したとされる。市の活性化を図る一大事業として、えべっさんを移したのだ

 移転といえばこの夏、消費者庁が本県に全面移転するかどうかが決まる。飯泉嘉門知事は年頭会見でも重要案件の一つに挙げ「何としても誘致を」と鼻息が荒い

 知事は通町に詣でただろうか。誘致の先例にあやかり、ここはえびす顔で大きな鯛を釣り上げたいところだ。きょうは最終日、残りえびすである。