PO圏外に転落し、悔しさをにじませながらサポーターにあいさつする徳島の選手たち=19日、味の素スタジアム

 J1昇格を目指した徳島ヴォルティスの挑戦が終わった。ロドリゲス監督の下、組織化された攻撃サッカーが注目され、総得点はリーグ2位の71と量産した。にもかかわらず、7位にとどまった背景には決定力不足のほか、徹底的に攻撃スタイルを研究されたことがある。

 「アグレッシブでコレクティブ(組織的)」とはチームが毎年のように掲げるお題目だが、今季は中身が伴った。GKを含む最後尾から意図を持ったパスで組み立て、アイデアあふれる連動した崩し方で二重にも三重にも攻撃を仕掛ける。42試合のうち9試合で3点以上挙げた。

 これらの試合では徳島の爆発力が際立ち、見る者を魅了した。一方で、決めるべきところで決められず、引き分けを強いられる試合も目立った。

 その一例が10月の讃岐戦。序盤から優勢に立つ徳島はクロスや縦パスで何度も得点機を築く。だがゴール前の人数を増やした讃岐守備陣にシュートコースをふさがれるなどし、シュート21本を放つも無得点で、今季初のスコアレスドローに終わった。GKとの1対1でシュートを外したFW渡は「ゴール前での冷静さが足りなかった」と振り返った。

 渡が徹底的にマークされたり、山﨑をはじめとする前線の相方とのコンビネーションが不発だったりした試合もあった。

 決定力の課題は1年を通じて解消しきれなかった。5月は下位相手に試合を支配しながら4戦連続ドロー。8~10月には讃岐戦を含む6試合連続で勝てなかった。

 リーグ6位以上がいずれも勝ち点3の白星を20以上稼いだのに対し、徳島は8位松本より一つ少ない18。DF馬渡は「引き分けた13試合のうち、3分の2は勝てた。その勝ち点があれば自動昇格にも届いた」と悔やむ。取りこぼしたという思いが終盤戦の焦燥感を招いたとも言える。

 徳島のスタイルを研究し、しっかり対策を練ってきたチームにも苦戦した。京都は徳島のプレスをロングボールでかわした。湘南や松本は前線から激しく圧力をかけ、徳島のパスの出し所を抑えた。2度目の対戦となる後半戦は徳島の攻撃力を警戒し、自陣に引いて守備的に戦うチームも多かった。

 こうしたことから前半の10勝に対して、後半は8勝と勝ち星を減らした。

 来季も続投することになったロドリゲス監督は、J1昇格に向けて徳島をさらに強くすることを力強く宣言した。築いた長所を伸ばし、短所を埋めて、徳島のスタイルを進化させてほしい。