4年に1度の統一地方選の年である。徳島県内では4月7日に知事選と県議選、同21日に4町長選と6市町村議選の投開票が予定されている。

 知事選は、5期目を目指す現職と自民党県議との戦いが注目を集めている。一方、議員選の多くはムードが低調で、中でも県議選は13選挙区のうち10選挙区で無投票の可能性があり、牟岐町議選は定数割れが懸念されている。

 4年前を振り返ると、県議選は14選挙区中、7選挙区が無投票で、平均投票率は45・53%と過去最低だった。市町村議選は北島町が無投票となり、投票率は選挙戦となった5市町村を平均すると43・66%と低く、3市町で過去最低だった。

 この傾向が続けば、選挙結果を民意と呼べなくなる。民主主義の危機と言えよう。

 最大の要因は、住民が地域の政治や行政に関心を持たなくなったことだろう。無関心は議員から緊張感を奪う。それは首長らとのなれ合いを生み、議会のチェック機能が働かなくなる。怠慢や不正も招く。昨年7月、神山町議ら5人が公選法違反容疑で逮捕されたのはその一例だ。

 こんな状況に住民はさらに議会から遠ざかっていく。まさに負のスパイラルである。

 無投票の拡大も深刻だ。県内には若手の立候補を促そうと、報酬引き上げに踏み切る議会もある。しかし、なり手不足も、議会への無関心が根っこにあるのではないか。

 徳島市議選に13人もの新人が出馬の意向を示していることが、逆にこれを裏付けている。市議会は、新ホール整備計画の進め方や阿波踊りの運営を巡って議論を交わしてきた。それが住民の市政への関心を高め、立候補への意欲をかき立てている側面があるのは間違いない。

 ただ、こうした耳目を集める案件があれば別だが、常に議会に関心を寄せている住民は少ない。それは、議員の役割やその重要性に気付いていないからではなかろうか。

 二元代表制の下では、首長と議員は選挙で選ばれ、対等な立場にある。議会は自治体の重要事項を決め、首長がそれを執行する。さらに執行状況を議会がチェックする。

 例えば、県の「水素グリッド構想」では二酸化炭素を排出しない水素エネルギーの普及を図るため、県は2015~18年度、関連事業に約5億4千万円の予算を計上した。ただ、これまでは燃料電池の自動車27台とフォークリフト1台、水素ステーション2カ所の導入にとどまっている。

 この予算を認め、ゴーサインを出したのは県議会である。事業が県益にかなわなければ議会も責任を免れない。

 日常生活に直結する課題を扱うことが多い県議会と市町村議会の決定は、住民の暮らしに影響を及ぼす。それだけに、議会にもっと目を向ける必要がある。そして、自分たちの生活を向上させるため、より良い議員を議会に送り出さなければならない。