粟山に伝わる鉦踊り。花がさをかぶる住民は鉦と太鼓を打ちながら先祖を供養し、集落の平和を祈る=1982年、三好市山城町(檜瑛司さん撮影)

 舞踊家で民俗芸能研究者の檜(ひのき)瑛司さん(1923~96年)が徳島県内各地で撮った祭礼写真を集めた展覧会が、15日から徳島市の阿波十郎兵衛屋敷で開かれる。農漁村に伝わる祭りを後世に残すことに生涯を懸けた檜さんの情熱を知ることができる約40枚が展示される。2月11日まで。

 阿波十郎兵衛屋敷と、阿波民俗芸能文化保存会の主催。檜さんの遺族が所有する約2千点の中から、伝承者が途絶える危機にある祭りの写真を選んだ。

 1982年8月15日に撮影された三好市山城町粟山に伝わる鉦(かね)踊りは、県指定無形民俗文化財。集落の住民がかぶる大きな飾りが付いた花がさが特徴で、住民が輪をつくって鉦と太鼓を打ちながら先祖を供養し、集落の平和を祈る姿を捉えている。

 徳島市飯谷町の神踊りは、礼拝する社殿やほこらがない山の中で、精霊を神様になぞらえ踊りを奉納し、太鼓を打っている。

 檜さんは鳴門市出身。戦後、現代舞踊の振興と後進の指導に尽力。50年代から県内全域を訪ね、日々の暮らしと共に受け継がれた民謡、祭りばやし、舞踊をカメラに収め、音声や映像も記録した。会場では祭りの音声も流し、情熱的なリズムや素朴ながらも力強い歌声に触れることができる。

入場料は一般410円、高校・大学生300円、小中学生200円。