「茂造」(右端)らがドタバタ劇を繰り広げる吉本新喜劇=大阪市のよしもと西梅田劇場

公演を前に長蛇の列をつくる観客

 明石海峡大橋の開通以来、徳島県民にとって身近な存在になった関西。新たな施設が次々に誕生するなど、めまぐるしく変化している。徳島新聞大阪支社の記者がお薦めのスポットを紹介する。

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 平日の月曜日午前11時。入り口前に若い女性や初老の夫婦、親子連れらが長蛇の列をつくり、JR大阪駅前の一角は、休日のようなにぎわいを見せていた。

 大阪ならではの笑いを発信し続ける吉本興業(大阪市)の「よしもと西梅田劇場」。前の通りでは、「吉本新喜劇」の人気キャラクターの着ぐるみが、道行く人々に愛想を振りまいて来場を呼び掛け、ビジネスマンであふれるオフィス街で異彩を放っている。

 この日は人気上昇中の若手芸人のミキ、ジャルジャル、見取り図に加え、ベテランのまるむし商店が登場。続く吉本新喜劇では辻本茂雄が扮する「茂造」らがドタバタ劇を繰り広げた。

 約100分の公演中、観客約350人の笑い声が途切れることはなく、真冬なのに汗を拭う人がいるほど熱気に包まれた。娘とよく見に来るという関口裕子さん(51)=兵庫県伊丹市=は「漫才はテレビよりも劇場の方が絶対面白い。今日は(若手漫才コンクールの)M―1グランプリに出ていたコンビがたくさん登場して特に良かった」と笑顔を見せた。

 公演は基本的に平日が1日2、3回、土日祝日が3、4回。1回の公演は4、5グループの漫才と吉本新喜劇で構成される。日によっては落語やコントが入る場合もある。出演者は桂文枝や西川きよしといった大御所から、売り出し中の若手まで幅広い。

 西梅田劇場は2017年9月、「大阪のキタ(梅田、北新地など)にも笑いを」と、大阪中央郵便局の跡地にオープンした。今後、現場は大型ビルの開発が見込まれており、劇場は仮設建築物の扱いになっている。年1回、壊して建て直す必要があるため、吉本興業の代表的な劇場「なんばグランド花月(NGK)」とは対照的に、造りはいたってシンプルだ。

 18年8月に建て替えた際には、ベビールームを設けたり椅子を大きくしたりした。ビル開発が進められた場合に、劇場をどうするかは未定だが、「仮設」を逆手に取って建て替えるたびに魅力アップに努めている。

 吉本興業は大阪、京都、東京、福岡、沖縄などに計14カ所の常設劇場を持つ。690席ある西梅田劇場は、NGKに続く収容能力がある。NGKにはない学生料金が設けられ、一般の半額で見られるのも特徴だ。

 西梅田劇場の白仁田佳恵支配人は「大阪の観光名所になっているNGKに比べると、まだまだ知られていないが、お客さんと芸人との距離が近い劇場にしていきたい」と話した。

 メモ
 JR大阪駅南側の桜橋口や、徳島線などの高速バスが発着するハービス大阪から徒歩約1分。周辺は大丸、阪急、阪神といった百貨店やオフィスビル、ホテルが林立する。西梅田劇場の北側は「うめきた」と呼ばれる再開発区域で、1万人規模のイベントを行える公園やマンション、商業施設などの建設が予定されている。劇場の入場料は一般が平日、土日祝日とも4200円(前売り3700円)、学生が平日2000円(当日、前売りとも)、土日祝日が2500円(同)。

 

 仕事の後で気軽に

 西梅田劇場スタッフの森本将也さん(24) 大阪駅に近いアクセスの良い場所で、生のお笑いの素晴らしさを五感で感じられるところが一番の魅力。学生料金が半額なので若い人にも手軽に来てもらえる。平日でも水曜日と金曜日は夜の部を設けている日があり、出張などで仕事を終えた後に立ち寄ってほしい。