斬新光の芸術 水都の夜彩る

 水都・徳島市の夜を彩る「とくしまLED・デジタルアートフェスティバル」(実行委主催)が9~18日、市中心部で開かれる。斬新なデジタルアート作品で世界的に注目されるIT会社・チームラボ(東京)が制作した「シンボルアート作品」を4点展示。多彩なイベントも予定されている。フェス開催は2016年12月以来で4回目。実行委では過去最多となる40万人の集客を目指す。

 シンボルアート作品は藍場浜公園と徳島中央公園、万代中央埠頭(ふとう)、徳島県庁前の4カ所に1点ずつ設置。各会場を行き来する巡回バスも運行される。

 前回の展示エリアは新町川と徳島中央公園周辺のみだったが、県が主催者に加わった今回は新たに県庁周辺をエリアに加えた。シンボルアート作品も1点増やした。

① 自立しつつも、呼応する生命(実行委提供)

② 城跡の山の呼応する森=徳島中央公園

 藍場浜公園に展示されるのは、内部にLEDを配した卵形のオブジェ(高さ1~2メートル程度)を120個並べた「自立しつつも、呼応する生命」。オブジェに触れると、LEDの光の色が変化し、色に合わせた音色が響く。

 徳島中央公園には、木々をLEDライトで照らす「城跡の山の呼応する森」を昨年に引き続き設ける。徳島城博物館周辺の木々に人が近づくと、近くに設置されたライトの色が変わり、幻想的な光景となる。

③ 秩序がなくともピースは成り立つ=徳島市万代町5

④ チームラボクリスタル花火=徳島市万代町1

 万代中央埠頭の空き倉庫の「秩序がなくともピースは成り立つ」は、国内初公開の作品。倉庫の中に阿波踊りの踊り手や楽器の奏者をイメージした約30体の立体映像を映し出す。

 県庁前には、約8万個のLEDを集めた高さ15メートルの「チームラボクリスタル花火」が展示される。来場者がスマートフォンの専用アプリで選んだのと同じ花火が、照明に浮かび上がる仕組み。

 前回までは一般公募作品も展示されていたが、今回は準備期間が短いことなどを理由に、シンボルアート作品のみの展示となった。開催時期も中国の旧正月「春節」(16日)やバレンタインデーがあり、外国人観光客らの来場が見込めるとして、2月に変更された。

 シンボルアート作品の観覧はいずれも無料で、点灯時間は午後6時から同10時まで(10日以降は「秩序が―」のみ午後1時から同10時まで)。問い合わせは実行委<電088(621)5225>。

アート作品展示場所

① 自立しつつも、呼応する生命

② 城跡の山の呼応する森

③ 秩序がなくともピースは成り立つ

④ チームラボクリスタル花火

 イベント案内

 ◆オープニングセレモニー (9日17時40分~18時、藍場浜公園)主催者のあいさつやチームラボが作ったシンボルアート作品「自立しつつも、呼応する生命」の点灯式などがある。

 ◆アーティストトーク(9日19時半~20時半、リヴァージュテラス・ブランアンジュ)シンボルアート4作品を手掛けたチームラボの猪子寿之代表が作品に込めた思いや徳島の魅力について語る。先着150人。無料。

 ◆オフィシャル作品ガイドツアー(9~18日17時50分~19時20分、各エリア)NPO法人徳島ツーリズム協会会員のガイドで作品解説を楽しんでもらう。「新町川・城山公園エリア」のコースは徳島駅前正面入り口に集合、「万代倉庫・県庁エリア」は県庁前広場に集合する。定員15人程度。無料。

 ◆ワークショップ・LEDオリジナルポストカードを作ろう(10、11、17、18日16~20時、新町橋東公園)ポストカードに特殊なペンで電子回路を書き込み、LEDが点灯するオリジナルカードを作る。先着60人。無料。

 ◆ひょうたん島クイズラリー(11日14~16時、徳島中央公園)公園内にクイズポイントを設け、達成者には参加賞をプレゼントする。バラ園前の広場に集合。事前申し込みが必要。定員200人。無料。徳島市体育振興公社<電088(654)5188>。

 ◆女子高生クリエイター’sプロジェクションマッピング(9日18~22時、10~18日13~22時、県計量検定所)つるぎ高校、徳島科学技術高校、阿南高専に通う女子高生、高専生15人が作ったプロジェクションマッピングを展示する。無料。

 ◆LED総合フォーラム2018in徳島(12日10~17時、徳島グランヴィリオホテル)県内のLED企業関係者や大学教授、海外のアーティストらが「LED」に関し、最新の技術動向や新分野への応用可能性について情報発信する。250人。無料。

 ◆とくしまLED婚活(12日16~21時、リヴァージュテラス・ブランアンジュ)県の婚活支援拠点「マリッサとくしま」と、「あわわ」がコラボした婚活イベント。事前申し込みが必要。参加費4500円。あわわ<電088(654)1114>。

フェス継続へ協力を 実行委 4会場に「応援金箱」

 実行委では、シンボルアート作品を展示する藍場浜公園、徳島中央公園、万代中央埠頭、徳島県庁前の4会場に、来場者からフェスの事業費への寄付を集める「応援金箱」を設置する。

 集まった応援金はフェスの事業費の一部に活用される。事業費の予算額は1億6500万円(シンボルアート作品の制作は1億2千万円)。現時点では徳島市と徳島県からの補助金が各8千万円、企業からの協賛金が500万円となっている。

 シンボルアート作品の観覧を有料にする選択肢もあったが、今回は無料での公開となっており、少しでも公費の負担を減らすために初めて設置する。実行委は「フェスを長く継続するためにも協力をお願いしたい」としている。

光と自然の一体感 体験を~チームラボ 猪子寿之代表インタビュー