クリの木に取り付けられた半鐘=上勝町生実

 上勝町生実の「樫原の棚田」を望む町道沿いに、戦前まで火災を知らせるために使用していた半鐘が設置された。近くの公民館に保管していた半鐘を「農村の原風景を感じてもらえる」と、集落支援員が活用を提案。地域のシンボルとして観光客らにPRする。

 半鐘は直径約35センチ、高さ約50センチの青銅製で重さ約15キロ。地元住民が重機を使ってクリの木(高さ約9メートル、胴回り約25センチ)を植え、先端部につるした。10種類の消防信号を記した札と木づちも取り付けている。

 半鐘はかつて、火災発生や空襲を知らせる道具として各集落にあった。生実地区では防災無線の普及などに伴い、1945年の消防出初め式以降は使われていなかった。

 集落支援員の田上禎祥さん(71)と竹中利明さん(71)=いずれも農業=が、保管していた半鐘の観光利用を呼び掛けた。

 樫原の棚田は日本の棚田百選に選ばれており、県内外から観光客が訪れる。田上さんと竹中さんは「半鐘は棚田の景観にマッチする。インスタ映えする場所として多くの人に見に来てほしい」と話している。