写真を拡大 徳島大環境防災研究センターが作った「南海地震被害マップ」の画面

 徳島大環境防災研究センターが、宝永地震(1707年)や安政地震(1854年)など徳島を襲った過去の南海地震の被害を「南海地震被害マップ」としてまとめ、インターネット上で公開している。多くの歴史資料に別々に残されていた被害記録が、スマートフォンなどで手軽に確認できる。

 過去の南海地震の津波や液状化、揺れ、火災による被害を古文書などの歴史資料から抽出し、無料の地図情報サービス「グーグルマップ」に概要を掲載。自分の住む地域で過去にどんな被害が起こったかが一目で分かるようになっている。

 情報は随時追加されており、現在は102地点を閲覧できる。安政地震の際に小松島市中心部で大火事が発生したことや、宝永地震による津波で徳島市の田宮川が逆流して佐古地区に材木があふれたことなど、一般にはあまり知られていない被害状況が多く掲載されている。

 センターの馬場俊孝教授(津波防災学)の研究室に勤める楠則子技術補佐員(49)が、過去の被害記録を分かりやすくまとめ、啓発に役立てようと企画。2016年10月から大学図書館の歴史資料を解読するなど作業を進めていた。マップは馬場教授のホームページ<http://toshitaka-baba.wixsite.com/index>で公開している。

 楠技術補佐員は「過去の被害を知ることが自分の命や地域を守ることにつながる。資料はまだまだあるので、地道に更新していきたい」と話している。

 南海地震に関する企画展をたびたび開いてきた県立文書館の徳野隆館長は「普段はなじみのない古文書などの記録を誰でも手軽に閲覧できるのは素晴らしい。防災に興味を持つきっかけになるのでは」と評価している。