選抜大会出場に期待を膨らませる田上推進監(右)ら。合宿で訪れた敦賀気比高のユニホームも飾られている=阿南市役所

 今春の第91回選抜高校野球大会の出場校が決まる25日を前に、野球を生かした町おこしに取り組む阿南市では、富岡西高校の甲子園初出場への期待が高まっている。地元勢の選抜出場は新野高校以来27年ぶり。市野球のまち推進課は「『野球のまち』の地元高校が甲子園に出るのは悲願」と吉報を待つ。 

 1900(明治33)年創部の富岡西はグラウンドが他部と共用で、平日の練習時間は2、3時間だ。ハンディを埋めるため、小川浩監督(57)は「常に選手自身で考える習慣を付けさせた」と言う。

 秋季県大会3位で臨んだ昨秋の四国大会では高知や愛媛の上位校を下し、県勢として5年ぶりに4強入り。部員の地域貢献活動が評価され、2018年12月に01、08年に続く3度目の21世紀枠の四国地区候補校となった。

 躍進を支えたのは、市が07年から官民で進めた野球のまち推進事業だった。10年には「野球のまち推進課」を設け、翌年から北信越の選抜出場校の合宿受け入れを開始。15年は選抜優勝校の敦賀気比(福井)も訪れた。

 強豪校との練習試合は大きな刺激になった。18年の選抜大会8強の日本航空石川(石川)には大敗したものの、遊撃手で出場した中西陽さん(16)=2年=は「ゴロでも打球の勢いが違った。甲子園に出るチームとの差が分かった」と振り返る。

 さらに15年完成の屋内多目的施設・あななんアリーナを地元高校に無料開放。雨期でも練習に打ち込めるため坂本賢哉主将(17)=2年=は「地域の支えで質の高い練習ができる。全力プレーで恩返ししたい」と話す。

 市野球のまち推進課の田上重之推進監は「甲子園出場が決まれば市全体で盛り上げたい」と期待を込めた。

 25日の最終選考委員会では、まず21世紀枠の3校が決定。富岡西が21世紀枠で選ばれなくても、四国大会4強の実績から一般選考枠で選ばれる可能性もある。四国の一般選考枠は2または3校となっている。