家に居場所がなく、盛り場をうろつく。寝る所もなく、声をかけてきた見知らぬ男と一夜を過ごす。そんな子がいる。決して都会だけの話ではない。目に付きにくく、逃げ込む場所もない地方こそ、問題は深刻だ

 そうした女子中高生を支える東京の民間団体「colabo(コラボ)」の代表、仁藤夢乃さん(29)の講演を聴いた。相談は徳島からも届いている。遠くからの支援には限界があり、安心して引き継いでもらえる地元団体の設立を訴える

 子どもが家に帰らない理由は、虐待やいじめ、貧困とさまざまだ。しかし行き着く先は同じ。違法な水商売や性風俗、自殺。犯罪に巻き込まれる子もいる。要は大人の食い物になる

 自分を大事に、とありきたりな人生論を説いても、本当に困っている子には響かない。必要なのは、根気よく一緒に先を見てくれる大人の存在だ

 仁藤さんも渋谷の繁華街をさまよう少女の一人だった。高校中退後、信頼できる大人と偶然出会い、生活は一変した。だから分かる。「通りがかりの人に『寒いね』と声をかけてもらえただけで涙する、そんな子どもたちなんです。可能性を信じて、関わる大人が増えてほしい」

 来月23、24の両日、徳島市の県立21世紀館で「私たちは『買われた』展」を開く。子どもたちの心からの叫びに、耳を傾けたいと思う。