結婚式の相談に訪れたカップル(手前)。消費増税を前に契約数が増えている=松茂町の樫野倶楽部

 消費税率が10月に10%へ引き上げられるのを控え、徳島県内の企業で駆け込み需要による受注拡大の兆しが見え始めた。2014年の増税時ほどではないものの、住宅、自動車といった契約から納品までに時間を要する高価な耐久消費財は軒並み契約数を伸ばしている。ただ、政府が駆け込み需要と反動減を抑える各種減税策を打ち出しているため、増税後に購入する方が得なケースもあり、各業界は顧客への丁寧な説明に力を入れる考えを示している。

 注文住宅設計・施工の「はなおか」(北島町)では、昨年の一戸建て住宅の契約数が178棟と過去最高を更新し、今年も現時点で昨年1月の契約件数の倍以上となっている。花岡秀芳社長は「少なからず増税の影響がある」と話す。

 その一方で、増税後の景気刺激策として住宅ローン減税の3年間延長などが予定されているため、同社の試算では増税後に建てた方が負担が減るケースもある。外壁や畳、クロスといった各メーカーが流通コスト増などを理由に相次いで値上げに踏み切っていることもあり、顧客が個々の状況に応じた選択ができるよう、これらを加味して説明するようにしているという。

 新車の販売でも、徳島トヨタ自動車(徳島市)は「駆け込み需要による影響が出始めている」とする。商談で増税に関する話が出ることが多く、1月は既に昨年を上回る契約が成立したという。契約から納車までに2カ月ほどかかることから、「これからさらに伸び、6月ごろにピークを迎えるのでは」とみている。

 自動車関連では、10月以降に買う新車から持ち主が毎年納める自動車税を引き下げるほか、購入時に払う自動車取得税を廃止して新税「環境性能割」が課されるようになる。車種によって影響が異なるため、的確な情報提供に努める方針だ。

 増税を意識した動きはモノの購入だけにとどまらない。ブライダル事業のときわ(徳島市)では、6~9月に結婚式を挙げたいという相談や成約が増えているという。営業部の篠原寛和チーフディレクターは「14年に比べると控えめな動きだが、今後さらに増えそうだ」と話す。

 3月末までに成約した場合は10月以降に式を挙げても8%の税率が適用されるが、指輪などは購入時の税率が適応されるため、同社では9月末までの購入を勧めている。