美波町は、四国霊場23番札所・薬王寺の門前町である桜町商店街(奥河内)のガイドブック「桜町図鑑」(A5判、103ページ)を作った。町の活性化を支援する神奈川大の学生が編集を担当し、商店街の成り立ちから新店情報まで、若者の視点で紹介している。
ガイドブックでは、江戸時代の1818年に、薬王寺の参道として門前町が整備された経緯などを年表にまとめた。昭和初期に参拝客向けの土産物店や宿が増え、戦後は地元商業の中心としてにぎわったことなどを、写真と文、イラストで説明している。
創業90年以上の菓子店や旅館といった老舗のほか、2016年に移住者が開業したカフェなどを掲載。弘法大師像や町のシンボル・ウミガメを描いたマンホールなどの見どころも紹介している。
町は、神奈川大工学部の曽我部昌史教授(建築学)の研究室と連携し、活性化策を考えている。門前町に特化した初のガイドブックを作ろうと、学生ら13人が住民へのインタビューなどに取り組んだ。3千部作製し、薬王寺や商店街の各店に置いている。事業費37万円。
編集の中心を担った神奈川大大学院工学研究科の内山大輝さん(24)は「歴史ある門前町を多くの人に知ってほしい。住民も手にして地域の魅力を再発見してもらえればうれしい」と話している。