非日常の華やかさを味わえそうなクルーズの旅。でも、高額だし、服装や振る舞いに気後れしそう・・・と思っている人は多いのでは。人気テレビ番組「マツコの知らない世界」にも出演した、クルーズライターの上田寿美子さんに、クルーズの魅力やプランの選び方などを聞きました。
◆クルーズの魅力
クルーズをごくごく簡単に説明すると、設備の整った客船で行く観光・娯楽を目的とした旅のこと。劇場やプール、ラウンジを備えているので、日本ではよくクルーズを「豪華客船の旅」とも表現しますが、「豪華」という二文字ばかりが強調されすぎて、「高額」「タキシードやイブニングドレスが必要」「周りが海ばかりで退屈」といったイメージが、残念ながら先行してしまっているようです。
クルーズは、動くオーシャンフロントホテルに乗って旅をしていくようなもの。時々刻々と変わっていく海景色を楽しむことが出来ます。陸上の喧騒から解き放たれて大海原に繰り出す爽快感があり、運がよければクジラやイルカといった海洋生物との出会いがあるかもしれない。
船に乗ってしまえば、体と荷物ごと寄港地へと運んでいってくれるので、ホテルのチェックイン、チェックアウトを繰り返したり、飛行機の時間に合わせて空港に行ったりするわずらわしさもありません。
日本や外国の歴史の舞台に、海から近づいていくのはドラマチック。寄港地での上陸観光も大きな魅力です。
寄港地と寄港地を結ぶ道中も楽しみがいっぱい。乗船代金には、船上での基本的な食事やイベントへの参加費用も含まれています。船上ではいちいちお財布を気にすることなく、食べたり遊んだり学んだりすることができます。
◆おすすめのクルーズ船
●ダイヤモンド・プリンセス
【概要】
外国客船が日本発着クルーズを始めるようになり、日本でも乗りやすくなってきました。その代表格が、ダイヤモンド・プリンセスです。アメリカのクルーズ会社「プリンセス・クルーズ」の客船で、三菱重工長崎造船所がつくりました。
ダイヤモンド・プリンセスの日本発着クルーズは1泊1万円台からという手ごろな料金で、食事もエンターテインメントも質の高いクルーズを提供しています。日本発着クルーズでは船内放送、新聞、メニューも日本語訳を用意しているほか、日本語を話すコーディネーターを大勢配置して、言葉のハードルを下げています。
プリンセス・クルーズは、外国のクルーズ会社としては珍しく、日本の市場に理解があり、「展望台浴場があったほうがいい」「おすしが食べたい」という要望に応えて、すぐに船を改修しました。
【食事】
プリンセス・クルーズは食事がすばらしいことでも高評価を得ています。夕食は日替わりの選択式フルコースメニューで、前菜、スープ、サラダ、主菜、デザートと、数種類の中から好きなものを好きなだけ選ぶことができます。追加料金は必要ありません。エスカルゴや殻つきロブスターなど本格的な西洋料理を楽しむことが出来ますし、朝には和定食もあります。
アフタヌーンティーも有名で、サンドイッチ、クッキー、ケーキ、スコーンなどが出ます。プリンセス・クルーズはスコーンが好評。ほかにスコーンが有名なクルーズ会社はクイーン・エリザベスの会社「キュナード・ライン」です。キュナード・ラインはさくさくしたスコーン、プリンセス・クルーズはもっちりしたスコーンです。
ダイヤモンド・プリンセスには24時間無料ルームサービスもあります。
【イベント】
イベントも多彩で、日替わりのショータイムが開かれます。歌とダンスのショーもあるし、落語の日もありました。盆踊り教室には、日本の伝統的なフォークダンスが習えるとあって外国人客がたくさん参加しました。日本人スタッフが英語と日本語をうまく混ぜて教えてくれて、炭坑節を踊りました。
船長主催の歓迎パーティーなど、ドレスアップして参加する優雅で華やかな催しもあります。
●飛鳥Ⅱ
日本船籍の飛鳥Ⅱで昨年、阿波踊りクルーズに参加しました。飛鳥Ⅱの阿波踊りクルーズでは、小松島に入港、阿波踊りで歓迎を受けました。オプショナルツアーでは飛鳥連として本場・徳島市の阿波踊りに参加できます。サポートしてくれたのは有名連のうきよ連。朝から猛練習して、船長や機関長も参加して藍場浜演舞場に踊り込みます。踊りを教わった後、着付けをしてもらったりメークを教わったり、親切にしてもらいました。
翌日の朝食では、焼き魚にスダチが添えられていました。小松島市からのプレゼントとのことで、心温まるもてなしに感激しました。
◆クルーズで気になるあれこれ
【揺れる?】
以前に比べると、ずいぶんと揺れが軽減されました。初めての海外旅行で初クルーズの人に話を聞きましたが「揺れが心配だったけど、景色が動いているのを見て、初めて船が出発したことを知りました」と言うほど。快適に過ごせます。強い台風に接近した場合などは揺れることもありますが、気象条件を考慮して航路を選んでいます。船には医務室があるので、体調の変化があっても安心です。
【服装は?】
クルーズでは、世界の多くの船で夜のドレスコードが指定されます。ドレスコードとは、夕方以降こういう服を着てくださいという案内のこと。ドレスコードにはいろいろな種類があります。
この中でいちばんドレスアップするのがフォーマルで、日本の方が一番心配するのがフォーマルに何を着たらいいのか、ということ。もちろん、おしゃれが好きな人はドレスアップを楽しんで。タキシードやイブニングドレスを着ると素敵な思い出になりますね。
不安に思っている人も、ご安心ください。世界的にクルーズの服装は軽くなる傾向にあります。私が初めて外国のクルーズ船に乗ったのは45年前、横浜~ホノルル間です。当時はたしかにクルーズの服装は、ずっとインフォーマル~フォーマルでした。こういう船に乗る人は、男性は白黒のタキシードを持っていて当たり前でしたが、現在は変わってきています。
変わってきた理由のひとつは、陸上での服装が軽くなってきたから。40年前、日本でも一流ホテルは夕方以降、男性は上着とネクタイが必需品でしたが、現在はネクタイをしていない人はたくさんいます。陸上の時代性に合わせて、船上の服装も軽くなってきています。
もう一つは、飛行機との兼ね合いです。飛行機でクルーズの発着地に飛び、そこから乗船する「フライ&クルーズ」という形態があります。飛行機の荷物制限が厳しいことを考慮して、船会社もドレスコードを軽くしています。
世界中の客船で、フォーマルナイトでも男性はスーツとネクタイ、女性はよそいきのドレッシーなワンピースかスーツなら大丈夫です。心配なら、結婚式に参列するときの服を持っていけば安心です。
昼間は、屋外のデッキに出ることが多いので動きやすいカジュアルウェアが最適。女性もスラックス(長ズボン)と底の平らな靴を持っていくことをおすすめします。
◆こんな人におすすめ
乗り換えなどの移動のわずらわしさがないので、年配の人をはじめ、子供連れ、親子3世代の旅にも適しています。
食事料金も含まれているので、食べ盛りの子どもがいる家族旅行にもぴったり。
セキュリティーチェックがしっかりしているので、女性の一人旅も安心です。
クルーズは、さまざまな人が同じ船に乗り合わせ、同じ目的地に向かって進んでいきます。仲間意識がわきやすく、新しい出会いも多い旅です。
◆プランや船の選び方
誰と行くのか、目的は何か、で選ぶプランは変わります。たとえば、13歳未満は同室無料のプランのある船は子ども連れの方におすすめです。
インターネットなどで情報が手に入りやすい時代ですので、たくさん情報を集めて比較し、旅行会社で相談してみてください。
通常、同じ会社のクルーズ船は、イベント等がよく似ています。外国でクルーズを選ぶときには、日本発着クルーズで体験した会社の船を選ぶと安心感がありますね。
■最後に■
日本でもクルーズに乗りやすい時代になってきました。ぜひ次回は徳島の皆さんもおもてなしをされる側を楽しんではいかがでしょうか。皆さんのクルーズが安全で楽しい、すばらしいものになりますように。
■エアトラベル徳島で募集中のクルーズ情報■
◆5/2発のクルーズ5日間(釜山往復)
を97,000円~248,000円 ◆5/13・5/27・6/
8発の那覇・石垣・台湾リゾートクルーズ8日間を147, 000~280,000円 ※いずれも神戸港発、
大人1名・2名一室利用料金。
問合わせ・申し込みはエアトラベル徳島 〈電088(625)0220〉 幸町本社またはイオンモール徳島店