朝市は気持ちまで「さら」になるわ。2010年12月、徳島市のしんまちボードウオークで始まった「とくしまマルシェ」で聞いた話を思い出す。人の行き来が減っていた水辺の風景が一変し、「さら」、つまり新鮮に映ったのだろう

 毎月最終日曜、川沿いに白いパラソルが連なる。音楽が流れ、統一された木箱にこだわりの県産野菜や加工品が並ぶ。欧風の趣が心地いい。出店しているのは公募ではなく、運営側が吟味した県内の生産者ばかり80店近くだ

 およそ8千人の買い物客が訪れる風物詩になった。当初聞かれた「すぐに飽きられる」「いつまで続くか」といった冷ややかな声も、力へと変えたに違いない。今年12月には10年目に入る

 そもそもマルシェ構想を描いたのは徳島経済研究所である。言いっ放しにせず、運営者や出店者らの協力を得て実現にこぎ着けた。シンクタンクが動く、その好例ともなった

 継続の秘訣などを探ろうと、視察が途切れることはない。同研究所専務理事時代にマルシェを提案した田村耕一さんは言う。「ロケーションを生かし、おしゃれな朝市を目指してきた。節目の年を迎えるが、いまだ途上。常に新しさを求めたい」

 今年最初のマルシェは27日、「いちごとフルーツトマトフェア」を催す。冬恒例の企画だけれど、新味にあふれることだろう。