全国の版画家から寄せられた年賀状を紹介する「第19回版画作家による年賀状」展が、2018年1月4日から那賀町の相生森林美術館で開かれる。来年のえと「戌(いぬ)」をテーマにした作品を中心に、多彩な版画約80点が並ぶ。28日まで。
河内成幸さん(東京)の「幸福を引こう!」は多色刷りの木版画で、飼い主に綱を引かれる犬の表情がユーモラスな作品だ。吉村明子さん(千葉県)の「Heart 2018」は初日の出、松竹梅といった和のモチーフを2匹の犬と共にポップに表現。阿南市出身の吹田文明さん(東京)は、刀のつばに子犬を配置した木版画を寄せている。
このほか、乗兼広人さん(東京)の銅版画「白川郷の冬」は、雪に覆われた合掌造りの古民家が静かな情感を醸し出している。17年11月に同館で行った年賀状制作講座の作品も展示される。
年賀状は日本版画協会員や徳島版画会員、相生森林美術館の所蔵作家らが制作。木版や銅版、リトグラフなどさまざまな技法を駆使し、個性を発揮している。