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 2017年8月、徳島県鳴門市の徳島自動車道で停車中のマイクロバスに大型トラックが追突し16人が死傷した事故で、国土交通省から委託を受けて事故原因を調査していた「事業用自動車事故調査委員会」が25日、結果を公表した。トラックの運転手が常習的に休憩の少ないスケジュールで運行していた上、当日は猛暑の中での積み荷作業で疲労を蓄積させ、居眠り運転につながったと認定。「運行管理体制が手薄で指導が徹底されてなかった」と運送会社の責任も指摘した。

 報告書によると、トラックの運転手は当時、松山市―浜松市間を荷積み・荷下ろしをしながら3日間かけて運行する定期行程を担当。直前の1カ月間で、厚労省の定める連続運転の上限(4時間)超過が12回、休息期間(最低8時間)不足が9件あった。全ての運行で、1日当たり1~3時間、拘束時間の上限値(16時間)を超えて勤務していた。

 事故のあった前日は午後1時半ごろに松山市を出発後、長時間休憩を取ったのは名古屋市の守山パーキングエリア(PA)での約5時間半のみ。気温が高い中で荷物の積み下ろしを行い、疲労を自覚していたにもかかわらず、運行計画で休憩することになっていた緑PA(兵庫県南あわじ市)でも停車しなかった。現場に至るまで約4時間、連続運転していた。

 運送会社はこうした状況を把握し注意していたものの、繁忙期は自ら基準を超える運行を計画し、乗務させることもあった。

 一方、追突されたバスは約30分間、乗客を乗せたまま停車。調査委は「避難させ通報するなどの措置を取っていれば、被害拡大の防止につながった」と、死亡したバス運転手の責任にも言及した。

 国交省は今回の事故を「特別重要調査対象」に四国で初めて指定。専門家8人でつくる調査委が関係者から状況を聞き取るなどしていた。

 徳島道16人死傷事故 2017年8月25日午後5時ごろ、鳴門市大津町大幸の徳島道下り車線で発生。エンジントラブルで路肩に停車中のマイクロバスに大型トラックが追突し、乗客の女子高校生=当時(15)=とバス運転手の男性=同(30)=が死亡。乗客2人が重傷、12人が軽傷を負った。乗客は神戸市で行われたオープンキャンパスに参加し、徳島市へ帰る途中だった。トラックの運転手は県警に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で現行犯逮捕され、18年1月、徳島地裁で禁錮4年の実刑判決が言い渡された。