秘境として知られる徳島県祖谷地方が舞台の「祖谷物語ーおくのひとー」などを手がけた同県三好市出身の映画監督・蔦哲一朗さんが、俳優を目指す若者たちを描いた新作長編映画を製作する。10月に自らが講師を務めた演技指導のワークショップに集まった若者たちとのやりとりから「役者を目指す若者たちの情熱を、ワークショップだけにとどめておくのはもったいない」と製作を決意。費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。期限は2018年1月31日まで。

蔦哲一朗さん

映画製作のきっかけとなったワークショップは10月上旬に5日間、東京都内で開かれた。参加したのは俳優を目指す男女27人で、蔦さんが演技指導などを行った。5日間、役者を目指す若者と直に触れ合った蔦さんは、「若い俳優たちの奥底に眠っている心の叫びを聞き、真剣に人と向き合って演出することに取り組めた」と振り返り「受講生の未来のため、私自身の成長のために、この経験を形にできたらと考えた」と映画を企画した理由を明かす。

募集しているのは映画の制作費250万円。クラウドファンディングを取り入れた理由について「自分の足だけで資金を集めるには限界があるが、不特定多数の人にプロジェクトを知ってもらい、興味がある人に手ごろな金額から応援してもらえる」と語る。

2018年1月に製作をスタートさせ、3月に都内で完成披露上映会を開く計画。CFの賛同者には、3000円から30万円の金額に応じて、エンドクレジットへの氏名掲載、完成披露上映会招待、上映用16mmポジフィルムなどの特典がある。

製作に向け蔦さんは「ワークショップ受講生の今を包み隠さずリアルに切り取り、東京で役者を目指す若者たちが何を考え、どうやって暮らし、なぜ役者になろうとしているかなどが垣間見える作品にしたい。そこから現代社会に生きる若者の閉塞感ややるせなさ、行き場のないモヤモヤを表現できると思う」とコメントしている。

蔦さんは1984年、三好市生まれ。「祖谷物語ーおくのひとー」のほか、祖父で、徳島・池田高校野球部を全国制覇に導いた故・蔦文也監督のドキュメンタリー映画「蔦監督ー高校野球を変えた男の真実ー」などを発表している。

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