モニュメントの右側に設置された「全面通行止」の看板。無視して遊歩道を通行する見物客もいた=1日午前6時50分ごろ、阿南市椿町蒲生田

モニュメントの右側に設置された「全面通行止」の看板。無視して遊歩道を通行する見物客もいた=1日午前6時50分ごろ、阿南市椿町蒲生田

 初日の出の見物スポットとして知られる阿南市椿町蒲生田の蒲生田岬で1日朝、山肌が崩落する恐れがあるとして全面通行止めになっている遊歩道を多くの見物客が通行していたことが分かった。遊歩道を管理する県環境首都課は12月28日から通行止めとし、案内看板を設置したが、多くの人が通行止めを知らずに訪れていた。2日と3日も同様の事態が続いており、同課は「危険なので通らないでほしい」と呼び掛けている。
 
 同課によると、通行止めにしているのは、モニュメント「波の詩」から蒲生田岬灯台まで続く約250メートルの遊歩道のうち、モニュメントから約60メートルの区間。両端に「全面通行止」の看板を掲げ、コーンバーを設置した。
 
 日の出前の1日午前7時ごろまでに、モニュメント近くの駐車場周辺に関西や関東、四国などのナンバーの車約100台が詰め掛けた。このうち一部のカップルや家族連れらが四国最東端の岬から初日の出を見ようと、規制区間に入った。
 
 県環境首都課は、現地の看板のほか、28日午後5時ごろからホームページに通行止めの情報を掲載していたものの、十分に周知されていなかった。
 
 大阪市から2年連続で初日の出のために訪れたという50代の男性会社員は「来てから通行止めと知ったが、せっかく来たので岬からの日の出を見たかった。危ないと思ったが通った」と話した。
 
 同課は詳しい現地調査をしていないため、しばらく通行止めは続く。9日以降に崩落防止工事や迂回(うかい)路の整備を検討する予定で「1月中には安全に灯台へ行けるよう対処したい」としている。