11日午前の徳島県内は上空に強い寒気が流れ込んだ影響で、徳島市で積雪3㌢を記録するなど各地で大雪となった。積雪や凍結で道路の通行止めが相次いだほか、県内各地で事故や渋滞が続発した。
徳島地方気象台によると、10日午後10時半ごろから湿った雪が断続的に降り、11日午前10時時点で徳島市で3センチの積雪を観測した。徳島市で3センチの積雪を記録したのは、2014年2月14日に4センチを観測して以来、約4年ぶり。雪は午後までにいったんやむが、夕方から再び強い寒気が四国上空に流れ込むため12日朝にかけて山間部を中心に大雪となる恐れがある。
朝の最低気温は海陽町氷点下3・2度、三好市東祖谷京上氷点下2・7度、徳島市氷点下0・6度など8観測地点中7地点で0度未満の「冬日」となり、3地点で今季最低を記録した。
積雪の影響で交通機関には大きな乱れが出た。高速道路は徳島自動車道の土成インターチェンジ(IC)-川之江ジャンクションが午前3時半から全面通行止めになった。一部が解除されたが、午前11時時点で土成IC-井川池田IC間の通行止めが続いている。
県警によると、11日午前0時~8時半に県内で発生したスリップ事故は人身4件、物損30件。追突やバイクの転倒で4人が病院に運ばれた。いずれも軽傷とみられる。徳島市川内町加賀須野の国道11号では10件の事故が相次ぎ、午前6時15分から同9時まで通行止めとなった。また、同市の末広大橋も一時通行止めとなった。
朝の通勤時間帯と重なったため渋滞も各地で発生。午前8時時点で、徳島市川内町大松-小松島市南田野町の国道で約16キロ、吉野川橋東詰-松茂町向喜来の県道で約9キロ渋滞した。
徳島発の高速バスは、徳島自動車道の通行止めに伴い、松山、高知両線で一部運休となったほか、迂回や渋滞により遅れが相次いだ。一般路線でもダイヤが大幅に乱れている。JR四国によると、徳島線で特急と普通列車の計4本が運休し、約150人に影響が出た。
徳島駅前のバス乗り場でバスを待っていた介護職員の男性(23)=徳島市応神町古川=は「1時間半待っているが、いつ来るか分からない。看護学校の入学試験だったが遅れのせいで受験をあきらめて帰っている人もいた。予定が狂った。迷惑な天災だ」とうんざりした様子だった。
県教委によると、午前11時半時点で吉野川、美馬など6市2町の小中高校と特別支援学校の60校が臨時休校した。徳島、石井など2市2町の小中高校10校が授業の開始時間を遅らせ、鳴門、小松島など3市2町の中学高校と特別支援学校の6校が授業の終了時間を早めた。
県内各地の消防によると、転倒による救急搬送が少なくとも5件発生。吉野川市の病院駐車場では、80代男性が足を滑らせて転倒して腰を打ったほか、板野町内で自転車に乗っていた女子高生(17)が転倒し、左肩や胸を打撲した。けが人はいずれも軽傷だった。