生活道路を通行する車から歩行者を守るため、車の最高速度を時速30キロに制限する地域「ゾーン30」の整備が、徳島県警が目標に掲げていた徳島市や阿南市など9市町の15地域(計254・5ヘクタール)で完了した。地域内では人身事故が減少する効果が出ており、県警は住民の要望を基に、さらに整備を進めていくことを検討している。
ゾーン30は、公安委員会の指定を受け、歩行者や自転車が多い学校や高齢者施設の周辺などに整備される。指定地域内の車道に、路面の色や材料を部分的に変えて凹凸があるように見せる立体路面表示を設けたり、幅員を狭めたりして、ドライバーが速度を出しにくいようにしている。
2011年の警察庁の通達を受け、都道府県警がそれぞれ目標を掲げて整備を始めた。県内では13年に徳島文理、昭和両小学校がある徳島市沖浜東・山城地域を皮切りに、14年は同市北前川地域、15年は池田小学校周辺(三好市池田町)などの5市町6地域、16年は鴨島小学校周辺(吉野川市鴨島町)などの4市5地域にそれぞれ整備。17年に撫養小学校周辺と黒崎小学校周辺(いずれも鳴門市撫養町)の2地域に設け、整備を終えた。
県警によると、ゾーン30では人身事故が減少。16年までに整備された池田小学校周辺など8地域の事故件数を15年と比較したところ、16年は計23件で3件減った。交通量が多い徳島市沖浜東・山城地域では、整備前の12年に19件あった事故が、15年には9件となった。
同地域を散歩していた50代男性は「この辺りを通る車は安全な速度で走っていると感じる。カラフルな車道の舗装が目に入るので、速度を下げようという気になるのではないか」と話した。