香川県さぬき市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認されたことを受け、徳島県内の養鶏関係者らは危機感を高め、感染防止に向けた対応を強化した。徳島県は12日、香川県境近くの幹線道で養鶏関係車両の消毒作業を開始。徳島市のとくしま動物園は、鳥類49羽を飼育、展示する「フライングケージ」への来園者の立ち入りを禁止するなどした。
県は午前8時、県内への感染を水際で防ぐため、阿波、美馬、三好各市の県境付近の幹線道路5カ所に、香川県側から入ってくる養鶏関係車両の消毒ポイントを設けた。
阿波市土成町の国道318号・鵜の田尾トンネル付近には、主に徳島家畜保健衛生所や東部県土整備局の職員4人が常駐。同11時20分ごろ、香川県側から入ってきた関係車両1台を止め、タイヤや車体に消毒液を入念に噴霧した。美馬市美馬町の国道438号沿いにある三頭公園でも、職員5人が動力噴霧機を準備したり、周辺の除雪作業をしたりした。県によると、正午時点で6台を消毒した。いずれも飼料の運搬車両だった。
とくしま動物園は開園前に、フライングケージの出入り口に立ち入り禁止を知らせる表示板を設置。来園者の靴底などを消毒するため、園の出入り口2カ所に消毒液を染みこませたマットを置いた。フラミンゴとガチョウ計24羽の展示や、土日祝日に行っているペンギンの解説イベントも中止する。
園では、国内で鳥インフルエンザ発生が相次いだことで昨冬も約4カ月間、同様の対策を実施している。園は「園内での発生を防ぐためにもやむを得ない。来園者にはご理解を頂きたい」としている。