動物愛護活動に取り組む徳島市のNPO法人・HEART(ハート)が、捨てられたり虐待を受けたりした犬や猫を保護し、里親を探す活動を地道に続けている。活動を始めて10年が過ぎ、これまでに約1700匹を保護し、約1400匹を里親に引き渡した。メンバーは「殺処分ゼロを目指していく」と、一層の活動の拡大に意欲を見せている。
県動物愛護管理センター(神山町)に収容された犬や猫を引き取ったり、野良犬や野良猫を保護したりし、市内に構えるシェルター(動物避難所)や県内外の一時預かりボランティアの自宅で飼育しながら、引き取り手を探す。現在は、スタッフ6人とボランティア15人で運営しており、犬150匹と猫92匹を避難所とボランティア4人の自宅で保護している。
犬、猫はインターネットや譲渡会で里親を募集する。里親希望者には面接を行い、室内での飼育や避妊・去勢手術に理解があるかどうかなどを確認した上で、引き渡す。
ハートは、県内での犬猫の殺処分に心を痛めていたスーザン・マーサーさん(41)=カナダ出身=ら有志15人が2006年に設立した。ホームページで里親募集を見た関西や関東在住の人からの引き取りの希望もある。譲渡会は、冬季はいったん休止し、18年春から徳島市万代町5の雑貨店「モリソンズ」などで再び月1回のペースで開く予定。
避妊・去勢手術の啓発やチャリティーイベントの開催、保護した犬、猫の治療などにも取り組み、ボランティアの協力のほか、寄付やカレンダー、エコバッグといったオリジナルグッズの販売で活動費を賄っている。
スタッフの東條仁志さん(42)=徳島市末広5=は「今ある命を救う活動を続けてきた結果ここまできた。ボランティアや寄付を通して活動を支援していただければ、動物たちの命を助けることにつながる」と呼び掛けている。
≪県内の犬猫の殺処分数≫ 県動物愛護管理センターが開所した2003年度には1万263匹と1万匹を上回っていたが徐々に減少。16年度は896匹(犬567匹、猫329匹)となっている。