通常国会がきょう召集される。会期中に統一地方選挙や、皇位継承とそれに伴う改元があり、審議日程は窮屈になりそうだ。

 会期は6月26日まで150日間。参院選が後ろに控えているため、大幅な延長もできそうにない。

 政府は日程を考慮し、提出法案を戦後2番目に少ない58本に絞り込んだ。だが、国民生活に直結した、いくつもの重要課題が浮上している。日程を優先して審議をおろそかにしないよう、まずはくぎを刺しておきたい。

 最大の焦点は、厚生労働省の毎月勤労統計を巡る不正調査問題である。雇用保険や労災保険の過少支給につながり、影響は延べ約2千万人に広がっている。

 「賃金上昇を意図的に膨らませた」とする専門家の指摘も無視できない。政府が景気回復の源と主張する「アベノミクス効果」の信ぴょう性すら疑われよう。

 厚労省はこの問題で、既に報告書をまとめたが、一部の事情聴取を職員が行うなど、「お手盛り」との批判が集中。原因の再調査に追い込まれている。厚労相の説明も不十分だ。真相を究明し、再発防止を徹底するには、歴代の大臣らの招致も必要となってこよう。

 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた対策も、今国会の重要なテーマとなる。

 改正入管難民法は、外国人労働者の受け入れ先基準など制度の詳細部分が決まらないまま、先の国会で成立した。このため、スタートする4月までに全体像を国会に報告するよう、衆院議長が政府に求めた経緯がある。

 実習制度で問題になっている違法な低賃金や長時間労働を、どう改善していくのか。衆参委員会の閉会中審査でも議論は深まらなかった。

 外国人労働者の雇用環境や人権を守る仕組みづくりを放置したまま、新制度に移行するのは論外だ。

 このほかにも、議論すべき課題は多い。

 国有地への小学校建設を巡り、詐欺罪などに問われた学校法人「森友学園」前理事長らの公判が3月に始まる。疑惑の核心はいまだに解明されていない。

 消費税増税後の景気安定を最優先に掲げ、初めて100兆円を超える新年度予算案としたが、財政再建の見通しはどうなのか。

 北方領土問題が「2島返還」に傾いたのはなぜか、といった歴史的な課題もある。これまでのような、通り一遍の答弁で許されるはずはなかろう。安倍晋三首相には、丁寧な説明を求めたい。

 野党では、参院選での選挙協力も見据え、国民民主と自由の両党が衆参両院で、立憲民主と社民が参院で、それぞれ統一会派を結成した。

 「安倍1強」に対抗する野党結集への第一歩と関係者は気を吐くが、とにもかくにも通常国会の論戦で存在感を示してもらいたい。