四国南東部での津波による最大流速を示した広域シミュレーションマップ

四国南東部での津波による最大流速を示した広域シミュレーションマップ

 第5管区海上保安本部(神戸市)は、南海トラフ巨大地震発生時に徳島・高知両県沿岸から和歌山県沿岸までの海上で想定される津波の速さや高さを示した広域シミュレーションマップを作成した。従来は主要港周辺のマップしかなく、小規模漁港周辺や沖合などにも想定の範囲を拡大した。

 マップは、徳島小松島港や和歌山港を含む「紀伊水道南部」、海部郡から室戸岬にかけての「四国南岸南東部」など6海域に分けて作成。それぞれ▽津波により水位が10センチ上昇するまでの時間▽津波の最高水位▽津波の最大流速▽安定した操船ができなくなる流速2ノットに到達するまでの時間―の4項目を線と色で表現した。

 新たに対象になった宍喰漁港を含む海陽町宍喰地区は水位が10センチ上がるまでの時間は5分。最高水位は10メートル以上で、最大流速は10ノット以上。流速2ノットに到達する時間は10~20分となっている。

 阿南市の那賀川河口から東20キロでは、21~24分後に水位が10センチ上がる。最高水位は3~4メートルで、最大流速は3~4ノット。流速2ノットに達する時間は20~30分となっている。

 5管本部は2015年、管内の主要港周辺のシミュレーションマップを公開。海運業や漁業関係者から「沖合の状況をもっと知りたい」「小さい港が含まれていない」などの要望や意見が寄せられたため、避難の参考にしてもらおうと広域マップの作成を進めていた。

 マップは5管本部ホームページ<http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN5/tsunami_map>で公開している。